「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」2つのアプローチ(SDGs日記)
「SDGs思考」田瀬和夫 (著), SDGパートナーズ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4295009970
を読み
「インサイド・アウト」か「アウトサイド・イン」ではなく
「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」の融合という考え方を知りました。
「インサイド・アウト」とは
「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」は、課題に対する取り組み方、アプローチの方法のことです。「インサイド・アウト」とは、自社のリソース、技術、サービスを活用することによって、どんな課題を解決できるだろう?と考えるアプローチです。
この本では、クロネコヤマト(ヤマト運輸)の例に挙げていました。ヤマト運輸では、「全国どこにでも配達できる」というサービスを活用して、地域の高齢者の見守りサービスを始め、高齢者問題という課題を解決しています。自社の「今もっている力」を使って、顕在化している社会課題を解決していると考えれば、これは「インサイド・アウト」のアプローチであると言えるでしょう。
「アウトサイド・イン」とは
ただ、ヤマト運輸がどういうアプローチをしたかは、外部から把握することはできませんよね。たまたま、ひとりの配送員の方が、担当する配送地域の一人暮らしのお年寄りに出会ったのかもしれません。「これは心配だ」「なんとかしたい」「大きな社会問題だ」と考えて、見守りサービスに行きついたとしたら、このアプローチは「アウトサイド・イン」と言えるでしょう。
「アウトサイド・イン」とは、先に社会課題があって、その課題を解決するためになにができるか?と考えていく発想法、アプローチの仕方のことです。
他の言葉で、対比してみた
「インサイド・アウト」と「アウトサイド・イン」の対比は
「企業起点」と「社会起点」
「帰納法」と「演繹法」
「積み上げ思考」と「逆算思考」
「システム思考」と「デザイン思考」
「プロダクト・アウト」と「マーケット・イン」
「フォアキャスティング」と「バックキャスティング」
などの言葉の対比と似ています。
日本人は、コツコツ積み上げるのが得意なので、「インサイド・アウト」タイプ。欧米では、「神の声」が先にあり、あるべき姿を描き、そこにどうやったらたどり着けるかと考える「アウトサイド・イン」タイプという対比もわかりやすいですね。
「or」ではなく「and」で繋げて考えよう
企業がSDGsに取り組む際に、「インサイド・アウト」ではなく「アウトサイド・イン」の発想が必要だ、と書いている本やWebサイトも多いですが、この本では、両方の考え方を融合することが大事、と書かれていました。
日本人は古来より、さまざまな価値観を「和」することによって、新しい価値観を生み出してきたので、
「インサイド・アウト」or「アウトサイド・イン」ではなく
「インサイド・アウト」and「アウトサイド・イン」と考えて
「和して=つなげて」を実践していくことが大事なんだとわかりました。
なにごとも、「or」で考えるのではなく「and」でつなげて考えることは、排他的にならず「誰ひとり取り残さない」というSDGsの考え方にも合致していますね!