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「ONE PIECE ONLY」展でファンレターを出してきました

「幸運の女神には前髪しかない」

自分にとって嬉しいチャンスは、ある日とつぜん訪れる。だから訪れたときにパッとチャンスをつかもう。あとからつかもうとしても通り過ぎてしまうよ。そんな意味の言葉です。

ですがチャンスを素早くつかめには、ふだんからの準備がないと難しいもの。

本日、それを肌で感じるできごとがありました。

というのも、人生で最も達成したかった「やりたいことリスト」である

『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎先生にファンレターを出す

を達成したからです!

2〜3年前からファンレターを出したかったのですが、最後の最後でいつも勇気がでず…。下書きを何度も書いては「なんか違う🥺」と悩んだり「私が伝えたい気持ちはこれじゃない😭」などボツにしてきました。

そんなワンピ愛が重めの私が今回ファンレターを書けたきっかけが、『ONE PIECE ONLY』展。

いろいろな方に背中を押してもらっていたので、こちらの展示会の魅力とあわせて「ファンレター書けました!!!」というご報告をさせていただきます💌 注:だいぶ暑苦しい記事です

◆壁一面に貼られたコミックスに圧巻。ファン必見の『ONE PIECE』の展覧会

まず建物から会場内に入るとすぐ、ONE PIECEのコミックス紙面がずらりと並べられた巨大な円柱が目に飛び込んできます!!もうこれを見たら「関西からはるばる来て良かったな」と思いました(笑)。

遠くから見るともうただただ圧巻の量。そして近くで見るとあらためてONE PIECEという物語の密度に驚かされます。

たとえばキャラクターの表情がほんとうに生き生きしているなぁと思います。一面に並ぶと発行された年代の空気まで浮かび上がってくるようで、懐かしさと感動がこみあげてきました。

またストーリーの特徴もみてとれます。個人的に感じるONE PIECEの特徴のひとつが、「回想シーンの多さ」。コマの外側が黒く塗りつぶされているページですね。ONE PIECEでは回想シーンでキャラクターの生い立ちや、いまの性格に至った背景などが徹底的に描かれます(切ない話に毎回泣く読者も多いはず)。

なお、ONE PIECE ONLYでは、会場内のほぼすべてにおいて、撮影とメモが禁止されています※。そのため私も事前情報でなんとなく知っていたのは絵を描く場がある程度。とはいえ受付の列に並ぶあいだに高揚感が高まり、そうした事前情報すらすっかり忘れていました。ちなみにいざお絵かきすると、いつも以上に独創的な絵に…(笑)。まぁ、心意気で描いたので伝わるでしょう!

※アイキャッチ画像は唯一、撮影OKだった場所

そのほか会場にはネーム(お話を考える段階のラフスケッチのような原稿)表紙カバーの色指定や紙面の文字校正の見本、印刷機のある工場の映像など、関係者しか見られない貴重な資料や展示がたくさん。
※東京までいけないよという方は、こちらのONE PIECE公式YouTubeをご覧ください。工場すごいですよ!!

個人的には仕事柄か、文字の校正やフォントの資料がやはり気になりましたね。「ふざけた雰囲気のときはこの書体か〜」「こんな緻密な改行まで意識されているんだ…!」など発見の連続で。より読みやすく、没入できるように気を配ってくださっているんだと。神は細部に宿る…ですね。

このイベントはONE PIECEファンはもちろんですが、印刷や出版、デザインなどに関わる方が見ても楽しめると思いますよ。ひとつの本が生まれるまでに、多くの工程があること、さまざまなプロの力が集まっていることをあらためて実感しました。ONE PIECEならではの自由で躍動感あふれる世界観に仕上がるよう、多くの方が努力してくださっているのだなと知ると、コミックスへの愛情がさらに増します…!

◆ファンレターBOXの存在に覚悟を決める

そんなこんなでサンジの眉毛のごとく会場内をぐーるぐーると楽しく巡っていると、尾田先生へのファンレターを投函できる場所が!!

「この機会を逃したら一生だせない。きっとまた先延ばしにしてしまう」

そう感じた私は、ワノ国の侍並みに重い覚悟で紙と鉛筆を手に取ります。

◆ずっと書けなかったファンレター。でもシミュレーションだけは何度もしていた

最初は鉛筆をもったまま1分ほど固まっていました。「この方どうしたのだろう」と、やや不安げな係員さんの視線が痛かったです(笑)。ですがそのおかげもありハッと気を取り直し…文章の下書きをせっせと書いていきます。概ね、以下のように書きました。ちょっと恥ずかしいですが、忘れないようにここに公開します!ドン!!

尾田っち先生へ

・ONE PIECE ONLY展、最高だったこと
・小学校から読んでいて大好きがゆえ、言葉にできずファンレターを書けなかったこと
・突然ファンレターを送るチャンスがあり、いま少しパニック状態であること(笑)
・ワンピのおかげで友だちが増えたり、辛いときもルフィの笑顔に救われてきたりしたこと
・宴のシーンやメリーのところなどが大大大好き
・ライターをしているので、先生に名前を知ってもらえるくらい頑張ります
・今までも、これからもずっと応援していること
                    名前

 

実際はもっと文法がおかしいです。緊張のあまり言葉遣いも堅いのとラフなのとが混ざっていたかと。これ読まれるんや…しかも、東京やからすぐそこやん。一瞬で届くやん!! と思うと平常心では書けませんでした。ちなみに名前はライターネームを書いたので、私はおそらく一生このライターネームを使うでしょう(笑)。

以下のふたつも書こうか迷いましたが、さすがに紙面がごちゃついて読みにくくなるため控えました。漫画家さんは目をかなり酷使するお仕事だと思うので、あまりご負担をかけるわけにはいきませんからね💦

・疲れているときでも、尾田っち先生の描く絵を見ていると、なんだか元気がでること(画集をときどき眺めています)
・いつも楽しい作品をありがとうございます、というお礼の言葉

私は尾田っち先生の絵のタッチがほんとうに好きなので画集のことは特に言いたかったのですが、実は今回、あえて止めておいたともいえます。今日書かずにいたら、もう一度ファンレターを送る口実になるかな…なんてことをほんの少し考えてしまいまして(笑)。私のなかで“ファンレター”は雑用から海軍大将を目指すくらい、まだハードルが高い作業のようです。

とはいえ、理由をつくってでも「またファンレターを書きたい」と自然に思えたのには、自分でも驚きました。何事も最初の一歩を踏み出すのが大変なのかもしれません。

そして自分にとって世界でいちばん困難な原稿を書き終えたあとは、やや放心状態でお土産を物色。その後ロッカーから荷物を取り、私は会場をあとにしたのでした。

◆最後は勢いでも準備はしておくと後悔しない

私は以下のように、ファンレターを送る準備だけは常にしていました(笑)

  • いままで何度かファンレターの下書きを書いていた

  • コミックス一巻から読み返し感想を書くプロジェクトを行う

基本的に「嫌い」の言語化より、「好き」の言語化のほうがむずかしいと思います。大好きな作品ならなおさらですよね。

最後は勢いですが、ファンレターを書きたい方はふだんから好きを言語化しておくといいかもしれません!

◆好きと言えるうちに伝えたほうがいい

個人のアカウントで自己発信をされてない漫画家さんに関しては、連載が終わると作品へのお礼や感想を伝える先がなくなってしまう。ONE PIECEのストーリーが進むほど、私はそう焦っていました。

漫画家さんでなくても、身近な誰かとずっと同じように話せる保証はどこにもありません。

「好き」

「ありがとう」

「応援している」

そんな伝えたい言葉がもしあるのなら、やっぱり相手に伝えられるうちに伝えたほうがよさそうです。それも好きの気持ちが熱いうちに!

以上、とあるファンの学びでした🏴‍☠️


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