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【9.11アメリカ同時多発テロ事件から19年】

 2001年アメリカ同時多発テロ事件から今日9月11日で19年。あの日リアルタイムで研究室のテレビでWTCビルとペンタゴンへのテロ攻撃を観た。ビンラディン率いるアルカイダメンバーによる旅客機ハイジャックと自爆攻撃で日本人24人を含む2,977人が死亡。その後対テロ戦争の時代に。
 僕がテロリズム研究を始めたのは1995年のオウム真理教地下鉄サリン事件から。鶴木眞教授の元でテロ対策研究を始め、97年に警察政策学会のテロ対策研究部会の立ち上げに参加、そこで初めて学術的な日本のテロ対策研究が始まった。福田充『メディアとテロリズム』新潮新書にまとめました。
 90年代後半からビンラディンもアルカイダも注目されテロリストとしてマークされていた。それでも9.11は防げなかった。その反省からアメリカはテロ対策制度を大改革、その調査のために僕はアメリカに何度も行きました。2008年アメリカ国務省IVLPにも招待され参加。その後アメリカに留学。
 2008年から2年間、コロンビア大学戦争と平和研究所の客員研究員となり師匠ロバート・ジャービス教授の元でテロ対策、インテリジェンス、安全保障の研究をしました。その成果をまとめたのが、福田充『テロとインテリジェンス〜覇権国家アメリカのジレンマ』(慶應義塾大学出版会)です。
 2年間のコロンビア大学留学から帰国後、日本大学法学部で勤めながら6年かけて2016年に危機管理学部を設立してテロ対策研究ができる学部を作り、テロ対策の河本志朗氏とインテリジェンスの小谷賢氏を教授として招き、日本でテロ対策研究を行う場を作ることができた。それから4年。
 テロリズム研究、テロ対策研究において、テロリズムとは単純に善悪で割り切れる問題ではない。法制度の確立と監視社会で解決できる問題ではない。力で押さえつけるのではなく、テロリズムがなぜ発生するのか文化的、宗教的、経済的、教育的背景からの問題解決、人道主義を基盤とした、平和構築学的なリベラル・アプローチを福田研究室はこれからも模索します。

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