【令和2年度・内閣官房国民保護訓練】
11月19日、大分県中津市で内閣官房・国民保護共同実働訓練が実施されました。大分県の九州ダイハツアリーナでサリンとみられる化学兵器によるテロ事件が発生したというシナリオに基づいて、内閣官房、大分県、中津市、警察、消防、自衛隊、病院、バス会社、避難所が連携した実働訓練です。
この訓練で、日本大学危機管理学部・福田充研究室として、国民保護訓練・評価委員長を担当しました。1年間かけて準備、運営してきたこの訓練の想定、計画から関わり、この実動訓練の全体を視察し、評価委員会を開催して訓練の成果を評価する業務です。
訓練会場は、事件現場となる九州ダイハツアリーナでの観客の避難訓練、負傷者の収容、医療活動、化学兵器の処理、爆弾の処理。負傷者が救急搬送される市民病院でのトリアージと治療活動。事件現場や周辺住民がバスで避難して収容される公民館。そして国民保護対策本部が設置される中津市役所。それぞれで同時並行的に訓練が実施される状況を、会場を移動しながら視察しました。訓練実施後に、評価委員会を開催、評価委委員の皆さんと報告、意見交換、議論して訓練は終了しました。この評価委員会の議論と評価はこれから報告書としてまとめられます。
毎年、日本各地の自治体で、テロ事件を想定した国民保護事案に関する国民保護訓練が実施されていますが、昨年は内閣官房主催の福島県での実動訓練が、台風19号災害の被災のために中止となり、2年ぶりの開催となりました。
こうしたテロリズム、ミサイル、武力攻撃事態に備える国民保護訓練を、毎年日本の自治体で実施することで、それぞれの自治体が国民保護について学び、考え、そして訓練することで備えることができます。これこそが国民保護の危機管理に必要なリスクコミュニケーションの実践です。毎年毎年、平常時に粛々と備えることが重要です。
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