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関東大震災101年

 101年前の1923年9月1日、東京、神奈川で大地震が発生、この関東大震災で10万人以上が亡くなりました。大地震で発生した火災により死者の多くは焼死でした。昨日は防災の日、ご冥福をお祈りし、思いを新たにしました。関東大震災を振り返るとき同時に、朝鮮人虐殺事件や、社会主義者らが殺害された甘粕事件、亀戸事件も忘れてはならないと思います。
 この関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマ、流言が発生し、逆上した「自警団」が朝鮮出身の人々を大量殺害した事件。内務省通達、新聞報道、警察活動など様々な要因が絡んだもののこの流言を拡大させ、罪なき人々を殺害したのは主に民間人でした。危機における差別とデマ流言の恐しさです。これらについては、拙著『大震災とメディア』(北樹出版)でも考察しています。
 またこの関東大震災では、警察が無政府主義者の大杉栄、伊藤野枝らを拘禁して殺害した甘粕事件や、多くの社会主義者が拘束され殺害された亀戸事件も発生しました。自然災害においても危機事態には警備、保安の名目でこうした事件が起きた事実を忘れてはなりません。危機管理を学ぶ者こそです。
 僕が「危機管理学」にも「危機管理」実務にもリベラル・アプローチが必要だとずっと言い続けているのはこのためです。それは自然災害でも原発事故でも、テロリズム、ミサイル、戦争紛争、難民、サイバー、感染症パンデミックでも同じです。「安全・安心」と同じかそれ以上に「自由・人権」は大事です。
 首都直下地震に備えるとき、このことを決して忘れてはなりません。

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