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「米9.11テロから23年」再掲

 今日9月11日で2001年アメリカ同時多発テロ事件から23年です。今夜も犠牲者に黙祷を捧げます。アルカイダのメンバー19人による4機の旅客機ハイジャック自爆攻撃で2,977人の市民が死亡しました。多くの日本人も犠牲になりした。この日から世界もアメリカも大きく変わり、アフガニスタン戦争、イラク戦争と続く、対テロ戦争の時代が始まりました。
 個人的には大学院生時代からテロ対策の研究に関わり、1997年に立ち上げられた警察政策学会・テロ対策研究部会も立ち上げから参画し、鶴木眞部会長を中心に河本先生、宮坂先生らのもとで世界のテロリズム、テロ対策のあり方を学びました。90年代当時からビンラディンやアルカイダの動向を分析し研究して議論する先進的な研究会でした。それまで日本にはテロ対策研究というものは存在しませんでした。当時も東京大学でもテロ対策研究はタブーであり、鶴木先生は違う研究会の名前で会議室をとり研究会を開催するような状況でした。
 そんな中起きたのが9/11テロでした。夜の研究室でリアルタイムで見たテレビ映像に衝撃を受け怒りが込み上げました。世界中の市民にテレビ中継を見せつけるスペクタクルと劇場型テロリズムの完璧なプロット。9/11後、アメリカはテロ対策のために大きな国家改造、制度改造を実行しました。
 90年代からイギリスに、ドイツに、アメリカにテロ対策、インテリジェンス、安全保障の研究のために赴き、コロンビア大学戦争と平和研究所に留学して、その後テロ対策とインテリジェンスの論文で博士号ももらいました。ロバート・ジャービス教授、リチャード・ベッツ教授、ブリジット・ナコス教授、ブルース・ホフマン教授たちからテロ対策とインテリジェンスについて多くのことを学びました。
 あれから23年。アフガニスタンからアメリカ軍完全撤退でタリバン政権が復活、一回りしてふりだしに戻りました。アルカイダのリーダー、ザワヒリはすでにアフガニスタンでCIAに殺害されましたが、実際アメリカの対テロ戦争は未だ続いています。世界の、日本のテロ対策、安全保障のためにこれからも研究を続けます。

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