【現代麻雀への道】62 麻雀漫画誌の誕生
心霊漫画家が描いた麻雀漫画第一作
世の中に星の数ほどある漫画誌でも、きわめて特殊な存在である麻雀誌。これほど扱う対象を限定した漫画誌は、他にエロ、パチンコ、パチスロくらいだろう。
この偉大(?)なる麻雀漫画誌が、どのように生まれて、現在のような竹書房の独占に至ったのか。今回はそんなテーマを扱ってみよう。
麻雀漫画「誌」が生まれる前には、当然ながら麻雀漫画の誕生があった。
初の麻雀漫画「發の罠」が描かれたのは昭和44年のことだった。掲載したのは「プレイコミック」誌で、作者は後に心霊漫画の巨匠となるつのだじろう氏。
これがなかなか読ませる一品に仕上がっており、これならいけると判断した編集部は、次なる麻雀モノの作者として、手塚治虫の虫プロに在籍していた北野英明氏に白羽の矢を立てたのだった。
まもなく阿佐田小説を漫画化した「牌の魔術師」が発表され、それは期待を上回るモノとなっていた。読者から好評を得たのはもちろんのこと、闘牌シーンを入れる手法までこのとき早くも確立されていたのである。それから10年あまり、北野氏は麻雀漫画の帝王として君臨する。
こうして麻雀漫画という鉱脈が発掘されたわけだが、その功労者は「プレイコミック」であり、すなわち秋田書店だった。このとき竹書房はまだ存在せず、創業されたのはその1年後のことだったのである。
※この文章だけ単品で100円で買えますが、このシリーズ39回(本1冊分)がマガジンで1000円となっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?