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チョロい男の余計な心配

珍しく朝から仕事ででかい会社に行った。こんなの年1、いや3年に1回だわ。

その用件は無事終わり、そのままジャズダンスのレッスンに行こうと歩いてた。毎週行ってるやつ。

ときどき通ってる道に画廊がある。いつも前でチラシを配ってる。受け取ったことはないんじゃねーかな。つーかさ、画廊って東銀座とかにあるもんじゃねーの? こんなネパール人だらけの街で上手くいくの?

このチラシを今日に限ってなぜか受け取ってしまった。とくに理由なし。素敵なねーちゃんが配ってたわけでもなし。

すると一気に話しかけられ、そのまま押されて店内へ。ジャズダンスのレッスンまで少しだけ時間の余裕があったんだよな。

ほんとに画廊だった。手前の部屋には印刷された絵があり、奥の部屋には油絵みたいな絵が並んでた。奥の部屋は何枚か見た限りでは1枚160万円とか。手前の部屋は値段をチェックしてねーからよくわかんねーけど、たぶん数万円とかじゃないか。

いろいろ話しかけられ、今からジャズダンスに行くんですよと言ったら「あら素敵ですね」と言われ、音楽が好きな人、芸術がわかる人扱いになった。まぁ確かに素敵だとは思うけどさ、芸術がわかる人ってことはなくね?と思った。ダンスはスポーツと表現活動の中間にあって、俺なんぞはスポーツ寄りだわ。

店内に入ってから「どんな絵を買うんですか?」と聞かれ、「デュフィとか」と答えてしまった。大学生のときに一度だけ絵を買ったことあるんだわ。リトグラフってやつですかね。こんな感じの絵↓

約1万円だった。貧乏な学生にとってはかなり高い買い物だったけど、一人暮らしを始めたばっかで、絵を飾ってみようかって気分だったんだよな。

そのとき以来、絵を買ったことなし。買おうと思ったこともなし。そんなに芸術愛好家じゃねーし。

でも、この会話によって自ら絵を買う人のグループに入っちまったじゃねーか。

あ、そういえば俺の天鳳の卓画はこれだわ↓

フラ・アンジェリコの「受胎告知」って絵を使ってる。卓画に名画を使ってる人って自分以外には見たことねーから、相対的には絵画に興味ある側になるんだろうね。きっと。

つーか普通の人は画廊に誘い込まれたりしないんじゃないか。よっぽど絵が好きか、よっぽど金があるか、よっぽどとろい人だけだろ。

俺が愛読してる漫画家の柳沢きみお先生は、画廊が好きみたいで、画廊が舞台になってる話がいくつかある。画廊で働いてるねーちゃんと古美術商のおっさんの不倫ドラマとか、画廊で働いてる人たちがみな棒兄弟穴姉妹になっちまう話とか。だからなんとなく画廊に親近感あるんだよな。

いや、関係ないかも。ネオン物の漫画も山ほど読んでるけど、クラブとかキャバとかスナックに行こうって気は1ミリもねーわ。

まぁどうでもよろしいな。話を進めよう。

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