【現代麻雀への道】54 脱衣麻雀三代
脱衣麻雀界の天下人たち
前回の主役は脱衣麻雀の信長ともいえる「雀豪ナイト」だった。
信長がいれば秀吉や家康もいる。今回の主役は脱衣麻雀の秀吉・家康こと「スーパーリアル麻雀」(以下、SR麻雀と省略)である。
信長の登場から3年たった1987年、「SR麻雀P2」が登場した。そのときの衝撃はいまでも語り草となっており、あまりの人気に、またたく間にあらゆるゲーセンへ入れられたという。
じつはその数年前に「SR麻雀P1」が出されていた。しかしそれは脱衣どころか、アンチ脱衣をコンセプトとしたゲーム機だった。
発売元のセ夕は、将棋の本格ソフトをいくつも出している会社である。当時の脱衣機は、脫衣といっても1枚絵のヌードが出てくるだけで色数も少なかった。
そんな状況に対して、セタはこう考えた。ヌードイラストに頼った安直なゲーム機を作るより本格派でいこう。ファンもそれを求めているはずだ、と。
そこで開発されたのが「SR麻雀P1」だ。この機種ではそれまで平面だった牌が立体的になっていた。またプレイする人間の手が登場して、マニキュアした手がテーブルを叩いたり、タバコの灰を落としたり、セクシーな動作をした。
セタがプライドをかけて追求したりアリティーとはそういうものであり、スーパーリアルとは、女性がリアルということではなく、麻雀自体がリアルという意味だったのである。
だが、この機種は受けなかった。やはり時代は脱衣だった。そこでセタは敗北を認めて、今度は一転して脱衣機を開発した。
そこでもセメント気質は発揮され、ついに作り出されたのが脱衣の秀吉である「SR麻雀P2」だった。コンセプトは異なっても、ネーミングはそのまま2とされたのだ。
※この文章だけ単品で100円で買えますが、このシリーズ39回(本1冊分)がマガジンで1000円となっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?