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漫喫の喫煙ブースにて

今日は馬鹿店で花牌ルールの日だけど、仕事の締切が明日あるため、まずは麻雀を打たず、漫喫に来て仕事した。家でやれば無料だけど、それができるようだったら、こんな渡り鳥みたいなことしてねーって。

4時間仕事して、この程度やれば顔は立つかなってところまで進んだ。そろそろ麻雀に行こうかと思いつつ、喫煙ブースに行った。

狭い喫煙ブースに先客がいた。はげたジジイ。その横に潜り込む。

するとジジイが話しかけてきた。

「ようやく出たよ」

こういうのは珍しい。ドトールの喫煙ブースで話しかけられたことは何度かあるけど、漫喫って社交の場じゃない。

にしても何の話だろう? 意味がわからなかった。

「パチンコ打ってきて、3万円入れて3万5千円出たから5千円勝てたよ」

パチンコの話だった。よっぽど嬉しいんだろう。喫煙ブースで会った知らないオヤジに報告したくなっちゃうほど。

聞いてもないのに話は続く。

「俺は海しかやらねーからさ」

海物語のことらしい。そういう超ロングセラーの台があるのよ。

「1パチは出ないから、やっぱ4パチじゃないとね」

1パチとは玉が1個1円のパチンコ。低レートだ。4パチとは玉が1個4円のパチンコ。高レートになる。パチンコを打たない俺でもその程度は知ってる。「1パチだと勝つことないでしょ。4パチだと傷が深くなるけど」と、知りもしないパチンコのことで話を合わせる。

ジジイはとにかく嬉しそう。

海物語についても適当に質問する。「海が最初に出たのっていつでしたっけ? 10年とかじゃないですよね?」

「相当前だよ。30年とかじゃないかな」

さらに聞く。「まったくそのままなんですか? 少しずつ変わっていく部分もあるんですか?」

「少しは変化あるよ。エビとかタコが出てくるのはいいんだよね。鮭なんかは駄目」

魚群が出てくるもんだって知識はある。そういう漫画の編集作業したことあったわ。

とにかく5千円の勝ちが嬉しそうなジジイだった。果てしなく昭和のパチンコトークだったわ。

俺が麻雀を打って勝った負けたというのも同じような世界なんかね? 数値とは無縁の昭和ジジイと一緒にされたくねーんだけどさ。

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