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#2:「若者・よそもの・変り者」たちと考える沖縄の魅力的なコンテンツ(前半)

大学の授業で、建設業のリアルを語る

4月某日、東京スカイツリーの近くにキャンパスを構える情報経営イノベーション専門職大学(通称:iU)に招待いただき、地方が抱える課題とそれに対する私たちゼネコンの取り組みについて説明しました。

iUは、2020年に開学した新しい大学です。
ビジネスの世界でイノベーションを起こす起業家精神と高度な専門性をもった人材の育成を目指しています。

沖縄という遠い島の、そして建設業という彼らにとってはオワコンかもしれない業界の取り組みについて、どこまで関心を持ってもらえるか心配でしたが、、
授業が始まると、みな真剣になって私たちの話に耳を傾けてくれました。200人から伝わるエネルギーに、こちらの説明にも熱がこもります。

大学3年生 約200名が参加

伝えたかった「今、地方で起こっていること」

私たちが提起した地方の課題、それは「那覇の中心部でも、空きビルや空き店舗が増えている」という事実。

なぜ空きビルが増えているのか?
確かに、新型コロナで打撃を受けて商売を続けることができなかった事業者も多くあったと思いますが、本質的な課題はコロナだけではありません。 

1つに家賃の高騰があります。
ここ10年の那覇市の地価の推移をみると、右肩上がりで高騰しており、10年前よりも2倍近くの金額となっています。また、マンション価格でみても、10年ほど前は坪単価70万円だった相場が、最近ではやはり約2倍の140万円/坪を超える水準まできています。
当然、家賃もジワジワと上昇していくので、家賃が払えずに立ち退きを要求される場合も水面下で発生しています。

立ち退きを要請された地域の憩いの場

また、少子高齢化の社会問題の中で、後継者がいなくて事業を継続できない事情もあるかもしれません。

いずれにしても、テナントが撤退してしまった空きビルの結末は、資産としてキャッシュを生み出すことができなければ取り壊されるのを待つばかり。
今まで地域の人たちに愛され、憩いの場として活用されてきた街並みやそこで活動する人たちのストーリーが、スクラップされて次々と失われていくのは、街づくりに関わる建設業として物寂しい気がします。

あちらこちらで更地が目立つ

新しい形の「産学連携」

だからこそ必要なのが、空き店舗になってしまったスペースをどう活用して人が注目する場所に再生できるのか、「若者・よそもの・変り者」たちのアイディアです。

私たち地元の人間は、業界に長くいると、知らず知らずのうちに自分たちの常識やルールに捉われて盲目になってしまいます。

例えば、スクラップ後の跡地利用を考えた場合、当然のこととして容積率をフル活用して各区画から生み出すキャッシュを最大化することを考えます。その結果、中層マンションやホテルなど同じ用途の建物ばかりが増えてしまい、画一的な街づくりになってしまいがちです。

同じような建物が広がる

また、ビルオーナーや不動産管理も、従来のターゲットから視点を変えることができずに同じようなテナントばかり募集してしまい、結果として、ビル内やエリアのテナント間の競争を激化させて入居率が定着しない状況を自ら発生させている可能性もあります。
さらにはそのテナント自身も、従来の客層以外のターゲットに目を向けることができずに業績不振になっているかもしれません。

その点、iUの学生たちは、外からの視点で沖縄の魅力を客観的に再定義し、若者&よそもの&変り者の自由な発想で、私たちが想像もつかないような空きビルの活用方法を提案する可能性を秘めています。

まさにビジネスの実践に特化した、新しい産学連携のヒントがここにありました。

那覇市の街づくりについて議論する学生たち

4月の第1回目の講義では、福地組の取り組み、沖縄の現状、課題となるテーマを説明した上で、今月5月の第2回目の講義にてハッカソン方式で学生たちからビジネス提案を受ける予定です。

もしかしたら、ここから将来のビジネスパートナーが生まれるかもしれません。どんな提案が出てくるのか、今から超楽しみです!

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