夏の夜の徘徊
金曜の夜に、架空の住所を目指して、Googleマップを頼りに、ご近所の人も巻き込み目黒あたりを徘徊していた
ご近所の方、ご迷惑をおかけしました
話は飛ぶが、
ドラゴンボールに出てくる「ドラゴンレーダー」というブルマの発明品があって
ドラゴンボールからの微弱な電波をキャッチして,その場所を特定できるというレーダーなのだが、
私のWi-FiのないiPadのGoogleマップのGPSがまさにこれくらい大雑把なマップで、いつもそうなのだが、そんな微弱なGPSを頼りに目的地を探していた
10年はたっていないと思うが…それくらい前に1、2回ほど行ったことがある場所を目指していた
なんとなく道を覚えているはずで、駅から歩ける15分ほどの距離だったんだけど…と地図を見ると40分と書かれていた…
たしか、この道を真っ直ぐだったような…と夜道の十字路でもう一回地図を見ると、Googleは通ったこともない道を案内していた
え…っとこれはGoogleマップの気まぐれなのか…(結構起こる現象で、前もワルシャワで、ツーリストが歩かないような裏道を示されて、ヒトの家の裏庭みたいなところを歩かされた記憶がある…迂回すれば賑やかな大通りから行く道もあるにも関わらず…)
その案内しか出ていないし、目的地にはピン📍が立っているので、Googleにとりあえず従っていれば,知っている道に出るのだろうと思い、従うことにした
工事とかで迂回ルートを示している場合もあるしな…とか、その時は呑気に考えていた
しかし夜道といえど、結構歩いても全く知っている道に出ず、以前に渡った覚えもない大通りを渡ったあたりで
もしかして、引っ越したのかな…など思って、電話を見つけたので、先方に一度連絡を入れる
送られた住所と駅から歩ける距離だったことを確認し、
今、〇〇の横を通ってきたが、前回そんなところ通った覚え無いんだけどと言ったら
え、そんな方へ行ったの?まー行けないこともないけど…とのことで
じゃあ、あっているのかと思い、もう少しかかるだろうことを伝えて
目的地ももうすぐなのでとりあえず向かうことに
で、その住所の〇丁目〇番地のところまで来て、Googleはある1ブロックを目的地として示していた
今まで見たこともない場所だった
だが暗いし昔の記憶だからな…と思いとりあえずそのブロックを一周する
地図は、1ブロックの中心を指している
そのブロックを一周したが、〇番地〇〇(号数部分)という最後の2桁がどうしても見つからず、そこのブロックには一桁の号数の住所の家しかなかった
周りにある隣接するブロックは番地違いになるし
と、2、3周くらいして、途方に暮れていたが
住宅地なこともあり暗いが会社帰りの人も歩いていて、
完全に不審者だが、帰宅中の女性を呼び止め目的の住所を聞いたら、
この辺りだと思うけど…入り組んでるから細かくはわからないと、丁寧に答えてくださったのでお礼をして別れ、
今度は、タバコを吸いに散歩に出てきたっぽい、イカつい感じのお兄さんに声かけたら、自分の携帯で住所を見てくれて一緒にそのブロックを回ってくれた
そして、やっぱここを指してますねーと
ここら辺って本当に入り組んでて、わかんないんですよね
この奥とかじゃないかな、どうやって入るんだろうと…とマンションの入り口の先が、細い通り道になっているんじゃないかと探してくれたりした
異世界に通じる穴がどこかにあるんじゃないかと探すかのように、抜け道まで探してくれて親身になってくれた
でも完全にその住宅が密集した1ブロックの内側には誰かの家の中庭はあるかもしれないが、そんな入り口が外からわからないような奥まった建物なんか存在せず
申し訳なくなって、感謝して別れた
そのブロックの住人らしき人が玄関の中を掃除していたので、声かけたが、完全に不審者だったらしく、わかりませんと避けられて(普通はそうなるよね。むしろ他の方々本当にありがとうございます😭)
ダメ元で、2ブロックくらい歩いた先に犬の散歩中の親子がいて、
その人にも驚かれたが、声かけて聞いてみると、
娘さんの方が住所を検索して、やはり同じところを示し、そこには見当たらなくてと事情を話すと、その後、建物名を検索してくれた
すると、丁目が違うんじゃないかといわれて、地図を見せてくれた
全く違うところだった…そして見覚えのある駅から15分くらいで歩ける道順だった
散歩中の親切な親子は、哀れそうに私を見て、ここら辺の住所は同じ名前でも広くて、丁目が違うとだいぶ遠い、ここからだとまた40分くらいかかりますよ、もうこのままこの道をまっすぐ行くと大通り出るから、そこでタクシーを拾った方がいいですよ、と言ってくれた
もう暑いし、駅から考えると1時間半以上は歩いていたと思うし、もう時間も遅くなっていたので
日を改めることにした、大通りに出ると別の駅前だったので、そこで先方に連絡した
それにしても、ちょっとした旅気分だった
暑いし、迷子だったけど、こういう経験って旅以来だと思った
夜に着いた初めての旅先(しかも外国)で、ネットに繋がらないから、手がかりは微弱のGPSが頼りだが、全く見当もつかない状態で夜道でユースホステルが見つからず途方に暮れている時も、飲み屋の帰りの異国の人に声をかけたら、自分の携帯で探してくれた
疲労と汗は残ったけど、少し楽しい時間だった
住所を間違えた先方も恐縮されていたが、全く気にならなかったので、むしろ携帯電話を持ってない自分のが悪いので、逆に申し訳ない思いになった
あと、助けてくれたその周辺の方々には本当に感謝しかない
ありがとうございました
ちなみにその〇丁目〇番地には一桁の号数までの住所しかなくて
タバコを吸いながら一緒に回ってくれたお兄さんには、架空の住所(ある種の異世界)を探させていたことになり、結局マンションの入り口の奥の異世界へ通じる抜け道を探す手順で正しかったことになる
もし住所が間違っていなかったら、私は、本当は方向音痴だったんだなと思って少し凹んでいたが、住所が間違っていて、私は方向感覚はある意味音痴ではなかったということだったのでよかったな、と思った夏の夜の徘徊だった