ワークとライフに役立つネット記事(47)~なぜ「権力をもつと、必然的に“愚か者”になる」のか?

 今回の記事は、組織の中で力を持つ立場になった者に対し、「万能感を持つな」「権力に怯えよ」と警告するものです。

 権力は、組織全体を動かすトップだけに生じるものではありません。
 部長には部長の、課長には課長の、係長には係長の、それぞれの地位に応じたオーソライズされた権力があります。さらに、先輩/後輩といった「上下関係」の中にも、非公式でミクロな社会的権力が生じます。
 それがどんなに小さくとも、与えられた力を自分個人の優越性の発現と勘違いして幼稚な万能感に酔い、ほしいままに振り回す「愚か者」は、必ず発生します(確率の問題であり、決してゼロにはならない)。ハラスメント対策が組織にとって不可欠なのは、それが必ず発生するからであり、放置すれば、必ず組織全体を腐敗させるからです。

 与えられた力が大きくなればなるほど、それに比例して、自らの権力に怯え、常に自制を欠かさない、強いモラルが要求されることになります。
 モラルに乏しい者に、権力を与えてはなりません。必ず、組織とステークホルダーに大損害を与えます。日々のニュースを見ていれば、世界でも日本でも、大量の実例を観察することができます。

 いくらプレイヤーとして優秀でも、モラルや自制心に乏しければ、マネジャーやリーダーとしては全く不適格です。年功制による内部昇格のシステムにおいては、モラルに乏しい者にも順番に権力が与えられかねないため、組織運営上、そのリスクに対する鋭敏な感覚が求められます。