ワークとライフに役立つネット記事(35)~「雑談をしない」管理職が職務怠慢と言われる理由
今回の記事は、「職場の生産性を高めるためにこそ雑談は必要」と訴えるものです。
この点、地方公務員第35条が「職員は、…その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い…なければならない」と規定することから、勤務時間中の雑談は職務専念義務に抵触するのではとの疑問を感じる向きもあるかもしれません。しかし、最高裁昭和57年4月13日判決における伊藤正己裁判官の補足意見は、労働者の職務専念義務は「その職務を誠実に履行しなければならないという義務であって、この義務と何ら支障なく両立し、使用者の業務を具体的に阻害することのない行動は、必ずしも職務専念義務に違背するものではないと解する」と述べており、これが常識的な解釈と思います。人間の集中力は、現実にはせいぜい数十分しか続きませんし、およそ息抜きを認めない奴隷労働的な環境では、かえって作業効率が大きく低下することは、科学的に見て明らかです。要は、業務に支障を及ぼすレベルか、という程度問題です。
雑談が成り立たない職場環境において、チーム力が発揮されることは決してありません。例えば、メンバーが自分の利益(出世や生き残り)だけを考え、上司を支配者、同輩を競合、部下を駒とみなすような職場では、足の引っ張り合いによる壮大な無駄ばかりとなります。
雑談が互いの信頼を高め、互いの信頼が雑談を促進する。
あなたの職場では、こういう回路がちゃんと作動しているでしょうか。