ワークとライフに役立つネット記事(45)~なぜ日本人は有給休暇をとらないのか

 今回の記事は、休暇を取ることに罪悪感のある日本人の心理の問題について、産業医である精神科医が論じているものです。

 なお、記事では「旅行会社の行った2022年の国際比較調査では、日本の有給休暇取得率はワースト2位」と述べていますが、2024年の調査では、最下位に落ちています。
https://www.expedia.co.jp/stories/vacation-deprivation2024/

 上司が休暇を取らずに仕事ばかりしている姿を見せると、部下は休暇を言い出しにくくなり、リフレッシュができず、モチベーションは低下し続けます。さらに、組織の未来を担うべき若手職員(とりわけ女性)から「あんな働き方は真似できない」「あんな立場にはなりたくない」と忌避され、後進を育成できず、離職を促進します。
 いつも疲れて暗く不機嫌な人に、誰がなりたいと思うでしょうか。
 「休まない」「休暇(=自分の人生)を楽しむ姿を見せない」管理職は、組織全体の持続可能性を著しく損ねることを認識しなければなりません。

 若者から見れば、女性が働き続けられない組織は、自分も働きたくない環境であると容易に想像できます。
 有給休暇取得率、女性管理職比率などの客観的な数値を見れば、その比較によって組織文化が如実に可視化されるため、低位とされた組織、業界、地域は、いくら言い訳しても、加速度的に人材獲得が困難となります。
 組織を挙げた戦略と方針が強く求められます。