No.313 雪の夜

初めて人を殺めた夜は、雪のよく降る日だった。

まだ痙攣する死体から流れる鮮やかな血が
雪に染まって溶けてゆく。

冷えた死体は硬直し、酷く目を剥いたまま、
降り積もる雪の中へ消えてゆく。

その後も依頼は続いた。

いつからだろうか。
雪を観ると、罪を溶かし流してくれていると感じるようになったのは。

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