No.395 狐の嫁入り

晴れた日、神社の境内でお狐様の呼ぶ声がした。

声のする方へと身を寄せ、
いつの間にか神域の中に居た。

四方八方を深い緑に覆われて、
そこにぽつんと一社、お宮があった。

ゆらゆらと蠢く白妙の御姿が目に入り、
気が付けば元居た場所に腰掛けていた。

狐に抓まれたような私の頬に
ぽつりと雨が降っていた。

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