No.203 A

残すはあとがきだけの単行本を見つめ、
笑みを溢す。

作者はA。

私の親友。
高校、大学と一緒で、時折会っては私の新刊や
Aの本の感想を言いあう仲だ。

今日だってこの本の感想をAに言う予定だが、
まぁ……気乗りしない。

これがAの最後の作品"遺作"だから。

全刊読んだが、私がAに勝てた本は無かった。

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