No.172 肯定否定

「僕の意見に肯定しかしないね」

ドアを開けると、先輩がマネキンに呟いていた。

見てはいけないものを見てしまった。
そぅっとドアを閉めようとした時、目が合った。

「ねぇ見た?」

咄嗟に見てません!と口にすると、

「あぁやっと否定した」

と呟き、先輩は出ていった。

マネキンには私の名が書いてあった。

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