トレーニング用語⑤
第5回は支持脚(しじきゃく)と遊脚(ゆうきゃく)
走りで大事(だいじ)なのは、じっと止まっている静的(せいてき、スタティック)バランスではなく、動かないとバランスがとれない動的(どうてき、ダイナミック)バランスです。1本の線上(せんじょう)を走る場合(ばあい)、支持脚(しじきゃく)に体重を乗せるたびに静的(スタティック)バランスをとりながら走ることになります。COP(シーオーピー)の上にCOG(シーオージー)があるので。
それに対し、1本の線をまたいで走ると空中に浮いた足(遊脚)、つまり、これから着地(ちゃくち)する足に体重をかけていく走りがいい走りとされています。坂道でクッションの上(クッションをジグザグに並べて)を走るとき、クッションを踏(ふ)んだときには、重心(じゅうしん)が次のななめ前のクッションに移動(いどう)を始(はじ)めています(サッカー塾でこのトレーニングをしていた子が、元々はクラスで中位の足の速さだったが、クラスで1番速くなり、最終的に学年で1番速くなったそう。そして、進学した中学でも1年から3年まで学年1位の速さだったとご連絡をいただいた)。
キックも同じように動的バランスの中でできるといいですね。しかし、支持脚(しじきゃく)に体重を乗せて蹴ること(静的バランス)に慣(な)れると、なかなか遊脚(ゆうきゃく)に体重を乗せる(動的バランス)キックを身(み)につけることができません。
幼児(ようじ)にボールを蹴(け)らせると、トウ(つま先)キックで遊脚(ゆうきゃく)に重心(じゅうしん)を移動(いどう)させながら蹴(け)ります。それが自然(しぜん)なのでしょうね。
氷(こおり)の上でボールを蹴(け)っても転(ころ)ばないように支持脚(しじきゃく)に乗(の)り切(き)らず(乗り切ると転びます)、遊脚(ゆうきゃく)に重心(じゅうしん)を移動(いどう)させながら蹴(け)ることができるのが理想(りそう)ですね。
※随分前に日本代表がフランス代表と試合をし大敗をしましたが、フランスの選手は転ばないのに、日本の選手はバタバタと転んでいました。