マイカメラ「EOS 7D Mark II」
最近のレンズ交換式デジタルカメラは「ミラーレス」が主流になっていますが、私は実は「一眼レフ」が撮りやすい人です。
今回は、持っているキヤノンの一眼レフカメラについて紹介します。
2014年発売の「EOS 7D Mark II」です。
最近の使用用途は、主に学校関係での撮影。
特に運動会や球技大会などの「動きもの」が多い場面での使用が中心ですが、時々プライベートでも動きものの撮影で使います。(使用感覚を保つという意味でも)
というのは、このカメラは「動体撮影」の性能に重点を置いた機種。
発売当時から色々と注目された、このカメラについて説明します。
EOS 7D Mark IIとは
キヤノンから2014年10月に発売された、プロ・ハイアマチュア向けのAPS-Cセンサー搭載一眼レフカメラです。
前代「EOS 7D」(2009年発売)の後継機種で、5年というブランクを経て新機能搭載と様々な性能向上が図られました。
キャッチコピーは「すべての一瞬が、一新する」
このカメラの最大の特徴は3つ
■ 決定的瞬間を捉える高速連写性能と新AFシステム
■ APS-C最高クラスの高画質と洗練された基本性能
■ 多彩な映像表現を可能にする「EOS MOVIE」
(Canon Camera Museum「EOS 7D Mark II」ページより)
高性能かつ新技術の搭載が幅広く認められ、「カメラグランプリ2015」をはじめ4つの大賞を受賞しています。
実は、私は2021年10月までは初代7Dも持っていました。
初代7Dは高画質にして防塵防滴、高速連写、動画撮影が売りでした。
しかし、デメリットとして
メモリーカードがCompactFlashのみ、ライブビュー撮影時のAFが遅い、高感度でノイズが乗りやすいなどがありました。
それらを払拭するべく施された画質・性能の向上、さらにEOS初搭載の機能などをザクっと以下に挙げます。
初代7Dから向上した性能
高速連写機能の強化
最高8コマ/秒 → 最高10コマ/秒
ただ単に高速連写ができるだけでなく、シャッターを押したときの振動や作動音が抑えられました。AF性能の向上
測距点がオールクロスの点配置19点→集中配置65点に増え、画面の端に近いエリアまでピント合わせ可能。
必要に応じて、測距エリアが選択可能です。(レンズによって測距エリア・測距点数が異なります)
測距エリア選択のために、専用のレバーが設けられました。
「AIサーボ」(動体追尾AF)では、被写体の動き方によって追尾方法を細かく変えることも可能です。
また、ライブビュー撮影では初代7DよりもAFが速くなりました。耐久性の向上
耐レリーズ15万回 → 20万回
耐久性能は、業務において重要な要素。
スポーツや報道などプロの場面では、撮影枚数が1日1,000枚に達することがあります。(もちろん、私も1日1,000枚撮ることがあります)
5D Mark IIIが15万回ですが、それよりも大きくなっています。これはAPS-Cフォーマットならではの小型化と、高速連写のために耐レリーズ回数もより向上させたといえるでしょう。
また、マグネシウム合金の本体と、シーリングによる防塵防滴も施されています。連続撮影枚数の大幅増加
高速連写を可能にするには、それだけ連続撮影枚数も増やさないと意味がない。
このため、初代7Dよりも大幅に増やしています。
JPEGのLサイズのみで最大1,090枚、RAW+JPEG(L)で最大31枚です。
メモリーカードスロットがCompactFlash+SDのダブルスロットになり、RAW+JPEGの振り分け保存が可能になったのも一因です。
また、カメラ内のバッファ(撮影データの一時記憶領域)を大幅に拡大したことにもあります。
※バッファは現在の基準では小さいですが、登場当時としてはかなり大きい峰に入ります。GPS内蔵
ペンタ部上部の僅かな膨らみが、GPSアンテナ内蔵部
撮影時の位置情報記録の他、ロガー機能(移動経路の記録)も搭載されています。
※GPSをONにすると、カメラ本体の電源を切っても常時測位する。このため、バッテリーの消耗が早くなる場合がある。
当時画期的な新機能
ミラー振動抑制システム
シャッター及びミラー作動における準備時間(チャージ)及びミラーバウンドを抑える為の新機構。
これにより連写速度の向上と衝撃・シャッター音の緩和につながっています。
後に登場のEOS-1D X Mark IIをはじめ、EOS1桁台(6Dを除く)にも反映されています。EOS iTR/EOS iSA System
被写体の色(人肌・動物や乗り物などの色)を検知し、動きに応じてピントを合わせ続ける機能です。
※当然ですが、この時期に登場のカメラは「顔認識AF」はありませんフリッカーレス撮影
室内撮影などにおける蛍光灯・水銀灯などの照明では、シャッターのタイミングにより露出や色合いがバラつく現象が発生します。
これは、人間の目に見えない照明のフリッカー(点滅)が発生しているため。
これをカメラが照明の点灯のバラツキを検知し、シャッターのタイミングをずらす機能です。
尚、フリッカーレス(低減)機能については、下記リンクの記事で詳しく紹介しています。
デメリット、イマイチなところ
(悪いところというより、敢えてこのように表現します)
初代7Dよりもより高画質・高性能と言いたいところですが、当たり前のことながらどのカメラも100点満点ではないはず。
だけど、使用上のデメリット及びイマイチなところを挙げます。
Wi-Fi非内蔵(SDカード型Wi-Fiアダプタ「W~E1」で使用可能)
Bluetooth非内蔵
液晶ディスプレイ部がタッチ非対応
SDカードでUHS-II非対応
ただしバッファサイズが大きいため、通常使用ではデメリットを感じることはあまりない若干ノイズが乗る
一部ユーザーの間でノイジーとの声があるが、そうなればRAWで撮ってノイズ補正すればいい程度だと思う。(そんなに大きく引き伸ばす必要がなければ、の場合)AFをはじめ高機能が故に使いこなすのが難しい
人によると思うが、より精度の高い動体追尾を求めるには設定内容とクセを知る必要がある。
作例
EOS 7D Mark IIで撮影した風景・乗り物の作品を3点紹介します。
各画像の説明には、使用レンズ・撮影場所を記載しております。
このカメラの末路は…
キヤノンのデジタル一眼レフ、特にAPS-Cフォーマットは数を減らしつつあります。更に言えば、新しいレンズは登場していません。
ちなみに、7D Mark IIのメーカー修理受付期間(オーバーホール含む)は2027年1月末の終了予定です。
※キヤノン「修理対応期間対象製品一覧」ページ参照
EOS 7D Mark IIの登場以降、APS-Cフォーマットの一眼レフでは「80D」→「90D」とミドルクラス中心に発売しています。
しかし、私の観点では事実上の後継機ではありません。
EOS 70Dから引き継いだ80D、90Dは同じクラスにおける正常進化系であり、7D系とは以下の点で異なります。(フルサイズながらボディがほぼ同じの6D Mark IIにも言える)
本体の材質が樹脂製(防塵防滴性能は落ちる)
メモリカードスロットはSD1枚のみ
耐レリーズ回数10万回
レリーズ時の作動音が大きい(ミラーのパタパタ音など)
2021年末にキヤノン・御手洗会長がインタビューの中で、
フラッグシップ(プロ・ハイアマチュア向け含む)は数年後の開発・生産終了を検討しています。
つまり、もうこの後継機種は出てこないというわけです。
いずれRFマウントのフルサイズミラーレスへ移行することになりますが、当分はオーバーホールしながら使い続けていくと思います。
さらに、このカメラはAF機能のクセが分かれば、動体撮影は面白くなると思っています。
お読みいただき、ありがとうございました!
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