[ 「画面」 ]
一生に一度の高校生活をバスケットボールに注ぎ、思いをぶつけ合ってるインターハイの試合。
何万人という応募者の中から才能を見抜き、少女を世界的なアイドルにしていくプロジェクト。
武道館を自身の色に染め上げ、満席の観客と同じ空間を共有し楽しむアーティストのライブ。
制作費数千万円で何百人という人達が携わり、心にグッと来るような描写を描いてる映画。
決まった時間に友達に呼ばれてワイワイするオンラインゲーム。
ストーリーで友達の近況を覗くinstagram。
とりあえずチェックするTwitter。
なんとなく開くYoutube。
これら全て、ここ最近の自分が見てきたもの。
驚いたり、笑ったり、感動したりする。
でも、一つ言えることは全部、
[画面の中の出来事]である。
この感覚はなんなのか。
動画が普及して、誰でも覗き見ができて情報がオープンになって、刺激が尽きなくて。
けれどもイヤホンを取って、画面から視線を外したら、そこには殺風景な白い壁しかない。
そして1週間後にはそんな事も忘れてる自分がいる。
情報はグーグルの検索窓に打ち込むだけで出てくるし、人生かけてる人達の情熱が乗った作品をまとめた記事や動画はいくらでも目に入ってくる。
けれどもやっぱり、一歩引いてみたら全てが同じモノのようにも見えてしまう。
人生捧げて毎日汗水たらして作り上げた作品も、誰かがなんとなくスマホで撮った写真を転載してるだけのツイートも、同じ棚の同じ形の本でしかない。
画面を通して見て感じたことは、5年後に覚えているだろうか。10年後に思い出せるだろうか。
自分は正直その自信が無い。
イイモノ・コトをイイと“分かる”ようになってきたからこそ、この感覚を昇華できない今の状況がもどかしくてたまらない。
だからこそ、今こそ”手触り感”のあるものを体験したいし、発信出来る人になりたい。
今はまだうまく言えないけど、そこを探っていこうと思います。
という宣言でした。
“人の記憶に残るもの”を作れるように。