拘束型心筋症(指定難病59)
拘束型心筋症とは、心室の拡張や肥大を伴わず、見た目の心臓の動きも正常であるにも関わらず、心臓が硬くて広がりにくいため心不全としての症状をきたす病気。このような病態は、様々な病気に伴い発生する(二次性拘束型心筋症という)が、一般に「拘束型心筋症」と言う場合は、特発性つまり原因がわからずこの疾患を発症した場合のことを指す。特発性拘束型心筋症を持っている患者の人数は正確にはよくわかっていないが、他の心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症)に比べて非常に少ないと考えられている。この病気の患者が多くいるのは、アフリカ、インド、中南米、そして一部のアジアの国々。現時点では明らかに年齢や性別で発症しやすい特徴があるという報告はなく、居住地などにも関係はないと考えられている。原因は正確にはわかっておらず、二次性の場合でも発病するメカニズムは多くの場合不明。拘束型心筋症の原因として心臓の構造を規定する蛋白に関する遺伝子異常が指摘されているが、それが遺伝するかは不明。拘束型心筋症をきたす家系は非常に稀であることより、一般的な意味で遺伝する可能性は低いのではないかと考えられている。軽症の場合は症状がないこともあるが、進行すると動いた時の息切れ感、むくみ、動悸、疲れやすい、体がだるいなどの症状が出現する。肝臓や脾臓が腫大しさらに進行すると腹水が溜まる。また、心房細動という不整脈が発症しやすく、それに伴い心臓の中に血のかたまり(血栓)ができ、それが剥がれて末梢の血管に詰まるという塞栓症(脳塞栓症、腎塞栓症など)が起きやすくなる。
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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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