4p欠失症候群(指定難病198)
4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)は4番染色体短腕の欠失に基づき、顔貌上の特徴、成長障害、精神運動発達遅滞・知的障害を呈する症候群である。1961年、クーパー先生とヒルシュホーン先生により初めて報告された。患者数は1/50,000人程度と推定されている(女児:男児=2:1)。しかし、欠失が小さい患者は見逃されている可能性があり、実際はもっと多いと考えられる。過半数は突然変異により発症するので、どの家族に生まれる可能性もある。不均衡型相互転座の結果として発症することもあり、この場合、父親か母親が均衡型相互転座を持っている可能性がある。4番染色体短腕末端の様々な領域の欠失が原因。過半数は突然変異による単純な欠失である。不均衡型相互転座の結果として発症することもあり、この場合には他染色体部位の重複を伴う。突然変異による単純な欠失の場合、不均衡型相互転座の結果として生じるが、両親が正常染色体パターンの場合、次子が同じく発症する確率は低い。
お父様かお母様のどちらかが均衡型相互転座を持っている場合、次子が同じく発症する確率は上がります(流産する可能性もあり、数?十数%程度と推定されます)。症状としては顔立ちの特徴、子宮内に始まる成長障害、筋緊張低下、様々な程度の精神運動発達遅滞・知的障害は全ての患者に見られる。他、けいれんは90~100%に、骨格異常は60~70%に、先天性心疾患は~50%に、聴覚障害(主に伝音性)は>40%に、尿路奇形は25%に、脳構造異常は33%に見られる。起きやすい症状に対する早期検診および適切な治療(抗てんかん薬、経管栄養、眼科・耳鼻科・循環器科・整形外科検診など)、また発達の遅れに対する療育的支援(理学療法、作業療法、言語療法、摂食指導)を行っていく。経過は患者の健康状態は合併症の内容と治療状況による。発達の遅れの程度も様々である。日常生活での注意点は患者の合併症の内容と治療状況による。心不全を伴う先天性心疾患があったり、難治性てんかんがある場合には、担当医から日常生活上の制限や確実な内服を指示される。感染しやすい場合、予防接種を確実に行うこと、症状が重くなる前にかかりつけ医療機関に受診すること、といった工夫が必要なこともある。発達面では、病院での定期的療育的支援に加えて、療育施設への通園などを通じて、楽しい刺激を受けたり、社会性を身につけたりすることもよいと思われる。
疾患の詳細はリンク先をご覧ください。
引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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