ペリー症候群(指定難病126)
ペリー症候群は遺伝性のパーキンソン病である。発病前に運動あるいは精神の発達に問題はない。発病は40歳代が多く、うつあるいは無気力などの精神症状で始まり、徐々にパーキンソン症状として動作が遅くなる(動作緩慢)、筋が硬くなる(筋強剛)、歩行は前かがみになり歩幅が狭くなる(小刻み歩行)、バランスが悪くなる(姿勢反射障害)などの症状が出てくる。これらの症状と並行して体重が極端に減少することが多く、1年間に10kg程度の体重減少がみられることも稀ではない。この病気が進行すると夜間に無呼吸が生じる。現在世界で22家系知られており、国内では5家系が確認されている。しかしまだ診断されずにいる患者がいる可能性がある。一般的にこの病気は家族に同様症状の方がある場合が多く、常染色体優性遺伝で、発病者の子供は50%の確率でこの病気の遺伝子を持っている可能性がある。そのすべてが発病するかどうかはまだわかってはいない。この病気の原因はダイナクチン1遺伝子の変異で起こることが知られている。病気の初期にはパーキンソン病の治療薬であるレボドパあるいはドパミン作動薬が効果を示す。その効果は個人差があるが、時間とともに効果が減弱してくる。これらの症状に対してはリハビリテーションが必要である。体重減少に対しては栄養管理が重要で、呼吸の異常に対してはマスク式の陽圧呼吸(持続陽圧呼吸療法)あるいは人工呼吸器の使用が必要になる。数年~10年で自力歩行は困難に、また呼吸が不十分となり呼吸の補助が必要になることがほとんどである。パーキンソン病と同じように薬物治療と運動療法、さらに栄養管理を行い、病気の進行を遅くするように努めることが必要。さらに呼吸の異常に気付いた時は血液酸素飽和度を頻回にチェックして必要に応じて持続陽圧呼吸療法あるいは人工呼吸器など呼吸のサポートが必要になる。
疾患の詳細はリンク先をご覧ください。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4702
引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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