先天性大脳白質形成不全症(指定難病139)

先天性大脳白質形成不全症は、脳の白質という部分の発達がうまくいかないことが原因で起こるこどもの脳の病気の総称。この中には現在11種類の病気があることがわかっている。最も頻度が高い病気はペリツェウス・メルツバッハ病という病気である。全国調査の結果、200名程度の患者がいることが推定され、男性が85%、女性が15%であった。患者の平均年齢は12歳だが、90%以上の方は生後6ヶ月以内に症状が現れている。11種類全ての病気で原因となる遺伝子が分かっている。最も多いのはPLP1遺伝子の変化(変異と呼ぶ)です。この遺伝子の検査は保険診療で実施されている。一方で3割におよぶ患者では遺伝子解析で異常が見出せないことから、まだ見つかっていない病気の原因遺伝子があると推定されている。11種類の病気は、それぞれ遺伝の仕方が異なる。最も頻度の高いペリツェウス・メルツバッハ病では多くの場合、保因者(遺伝子の変異をもっているが、症状はない方)の母親から変異を引き継いでいる。他の疾患では両親とも保因者で、それぞれの親から変異を引き継いだために病気になる。また、新生突然変異といって病気の原因になる変異が患者に発生して病気が起こることもある。症状は患者の病気によって幅があるが、生後1年以内に気付かれる発達の遅れと異常な目の揺れ(眼振という)、そして徐々に現れる四肢の突っ張り(痙性)などが多く見られる。ほとんどの患者は、自由に話したり歩いたりすることが出来ない。残念ながら、まだこの病気の根本的な治療法はない。それぞれの症状に対応した治療がおこなわれている。例えば、運動障害に対してはリハビリテーションを行う。てんかん(脳波の異常を伴う発作)がある場合は、てんかんの治療薬を使用する。他に筋肉のつっぱりに対しては筋肉の緊張を緩める薬の内服や注射、股関節の脱臼に対しては、装具の使用のほか手術することもある。口から食事をとることが難しい場合には管をつかっての栄養補給や胃に直接栄養を送り込むための胃瘻を作ることもある。11種類それぞれの病気で、患者の経過は異なる。最も頻度の高いペリツェウス・メルツバッハ病では、10歳頃まで非常にゆっくりであるが発達をしていくことが多い。10歳代になると今まで出来ていたことが出来なくなるなどの退行が見られる。急激に病気が進行することはない。日常生活において特別な制限はない。無理のない範囲内で他児と同様の生活を送ることが可能である。

疾患の詳細はリンク先をご覧ください。

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4886

引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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