ジュベール症候群関連疾患(指定難病177)
ジュベール症候群は1969年にカナダのM. ジュベールによって初めて報告された疾患で精神運動発達の遅れ、呼吸異常、眼球運動の異常、小脳虫部の欠損、遺伝性を記載している。一方、有馬症候群は1971年に有馬正高により報告された疾患で乳児期早期より重度の発達の遅れ、視覚障害、腎障害、眼瞼下垂を呈し、脳の奇形(小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常)がみられ、小児期より腎透析などを必要とする遺伝性疾患である。このように精神運動発達の遅れ、小脳虫部の欠損、遺伝性を特徴とする疾患をジュベール症候群関連疾患と総称する。ここには前述の疾患に加えて肝疾患を伴うセニール・ローケン症候群や眼の形成異常を伴うCOACH症候群など稀少性の高い多くの疾患が含まれる。「有馬症候群の疫学調査および診断基準の作成と病態解明に関する研究」班による全国調査(2012年)では、約100名の患者が報告されている。どのような人に多いという特徴は特にない。上記研究班によりAHI1やC5ORF42、CEP290といった繊毛に関連した遺伝子の異常が報告されている。現在までに36個の遺伝子に異常が見つかっている。常染色体劣性遺伝とされている。つまり両親が原因の遺伝子異常をひとつずつ持っているけれど発症はしておらず、両親から一つずつ遺伝子異常を受け継いだ子どもに症状が出現する。OFD1遺伝子は例外的に男児に見られる。現在のところ根本的な治療法はないが、腎不全が進んできたら腹膜透析、人工透析、腎移植などが行われている。また運動や知的な発達が遅れてくるので、それに対してリハビリテーションや早期からの療育を行う。この病気では腎障害が進行性であり、腎不全が小児期に起きて、それにより亡くなることがある。腎障害が強いと(腎不全)、幼少期に薄い尿が多量にでて、脱水、発熱という症状がみられることがある。その場合には適切な水分補給、電解質の補正などが必要となる。また、眼の異常では視覚認識ができないので、危険を回避する環境を作ることが必要になることがある。
疾患の詳細はリンク先をご覧ください。
引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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