ヤング・シンプソン症候群(指定難病196)
ヤング・シンプソン症候群は先天異常症候群の一つで、特徴的な顔貌、精神遅滞、眼瞼裂狭小や弱視・鼻涙管閉塞などの眼症状、内反足、甲状腺機能低下症なその内分泌異常、外性器異常、などを特徴とする。ほかに、羊水過多、新生児期の哺乳不良など、新生児期早期から生涯にわたっての医療管理を必要。Say-Barber-Biesecker-Young-Simpson症候群とも呼ばれ、性器・膝蓋骨症候群も含まれる。ヒストンアセチル化酵素KAT6Bの異常が原因である。患者数は10万から20万出生に1例と推定されるが、正確な人数は不明。ほとんどが突然変異による発症。出生時から様々な症状を呈する先天異常疾患。遺伝病だが、多くは突然変異による発症。同胞発症例は今まで報告はない。新生児期の特徴は出生後の軽度呼吸障害や哺乳障害が目立つ。哺乳力が弱い、鼻からよくミルクが出てくるなどといった症状に加えて、体幹の反り返りが強く、直接授乳(母乳)が困難なこともある。瞼裂(まぶた)が狭く、新生児期ほとんど目は開けないことが特徴である。弱視、難聴は多く、医療管理が必要で、成人期のQOLにまで影響しうる合併症として重要。てんかん、甲状腺機能定期、内反足などの合併がある。精神遅滞は中等度から重度。それぞれの症状に合わせた対症療法が中心となる。内反足では固定や手術治療を選択することもあり、心奇形についても手術を要することがある。眼科的評価は不可欠で、鼻涙管閉塞に対した処置や屈折異常に対しての眼鏡処方なども必要となる。早期の療育参加やリハビリテーション、甲状腺機能低下症に対しては甲状腺ホルモン投与、難聴に対しては補聴器も検討する。生涯にわたる医療管理はよりよい生活のために必要である。長期的な生命予後は、報告例が少ないためにはっきりしないが、合併症の重症度による。進行性の合併症は比較的少ないと思われる。日常生活では定期的な医療管理が重要で、乳幼児期には早期からの療育参加も重要。児の発達レベルや体力などを考慮した生活が望ましいと思われる。
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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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