アトピー性脊髄炎(指定難病116)
アトピー性脊髄炎とはアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎・結膜炎などのアトピー素因を持つ患者に、まれにみられる疾患。2007年の全国調査では、我が国で約1000人の患者さんがいると推定されている。男性に多く、平均発症年齢は35歳と比較的若い方が多いのも特徴の一つ。この病気は比較的若い男性に多く、アトピー性皮膚炎を伴っている患者が43%、ついで気管支ぜんそくを伴う患者の割合が30%。アレルギー体質の患者に発症する病気であることから、アレルギーとなんらかの関係があることが推定されているが、詳しい原因は不明である。最近、アトピー性脊髄炎で痛みやジンジン感が強い人の一部は、後根神経節の痛覚神経に対する自己抗体(抗プレキシンD1抗体)を持っていることがわかった。この病気自体が両親から遺伝することはないと考えられている。患者の一部ではHLAという遺伝子の種類に特徴があるとも言われており、病気との関連性が疑われている。患者が持っているアレルギー性疾患(気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎)が悪くなった後に、手足のじんじん感、知覚低下、動かしにくさなどで発病する。患者の一部では、おしっこの出にくさなどが出現することもある。副腎皮質ステロイド剤の点滴治療や内服治療、免疫グロブリンと呼ばれる血液製剤による治療、血漿交換という血液をろ過するような治療法が主に行われ、それぞれ72%、60%、90%で有効と考えられている。ステロイド治療に反応しない場合は血漿交換が有効と考えられているが、それぞれの治療には副作用があるので、治療法の選択は慎重に行う必要がある。なお抗プレキシンD1抗体をもつ方では血漿交換で除去することにより痛みが軽減することが報告されている。初発症状は手足のしびれ感など軽微なことが多く、日常生活に支障をきたすことはない。病気が進行すると、しびれ感の悪化、痛みの出現、手足のまひ、歩きにくさ、おしっこの出にくさなど、多様な症状が出現することがある。さらに発症から年月を経ると上記の症状が重症化し、車椅子が必要になることもあるが、そこまで重症になる患者は比較的まれであることもわかっている。アレルギー性疾患の患者に発症しやすいことがわかっているので、日頃からアレルギー性疾患の治療をきちんと行うことが重要。また、発症早期に治療開始することで病気の進行を抑えられる可能性があるので、この病気を疑ったときは神経内科の受診をお勧めする。
疾患の詳細はリンク先をご覧ください。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4723
引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之
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