禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症(指定難病123)

歩行のふらつき、無気力やいらいら感、注意力や記憶力の低下などの神経障害による症状と、頭髪の薄さ、腰痛といった神経以外の障害による症状がおこる病気。神経障害による症状は、主に前頭葉という大脳の前方に位置する場所の働きが悪くなったときに現れる。この病気では遺伝子の異常によって非常に細い脳の血管(脳小血管といいます)が衰え、そのために脳に十分な血流を送れなくなって神経障害がおこると考えられている。遺伝子検査によって日本国内で8名、国外で9名の患者が確認されている。しかし、調査がまだ不十分なため、もっと多くの患者がいる可能性がある。この病気は遺伝子の異常によっておこる病気である。患者のご両親がいとこ同士の場合が多いが、そうでなくてもこの病気になることがある。接触などで他人にうつる病気ではない。HTRA1(High Temperature Requirement Serine Peptidase A1)という遺伝子の異常によっておこることがわかっている。この遺伝子異常によって、脳小血管が衰え、背骨の形成や頭髪の発育にも異常が出ると考えられている。これまでは、両親ともに遺伝子の異常を持っている場合にのみ25%の確率で子供に遺伝すると考えられている。つまり、通常は子どもに伝わることはないと考えられてきた。しかし、最近、遺伝子異常のタイプによっては、両親のうち、片親だけが遺伝子異常を持っている場合でも、子どもに遺伝する可能性があることがわかった。患者が遺伝子検査を受けることによって、子どもに遺伝するリスクをある程度予測することができる。主な症状は歩行のふらつき、無気力やいらいら感、注意力や記憶力の低下、頭髪の薄さ、腰痛である。腰痛以外の症状は、ゆっくりと進む。病気が進行すると車椅子を使用しなければならなくなる。また、およそ3人に1人が20歳から40歳までの間に脳卒中発作を経験する。この病気では、脳梗塞に対して使用されている薬の有効性は証明されていない。高血圧の治療によって進行をある程度遅くすることができる可能性がある。症状はとてもゆっくりと進む。進み方は、同じ病気でも、お一人お一人で差がある。脳梗塞を起こした場合などは、急に症状が進むことがある。

疾患の詳細はリンク先をご覧ください。

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4549


引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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