- 運営しているクリエイター
2022年4月の記事一覧
またきっといつかどこかで 5
約束の日
僕はランランの働くバイト先へと向かった。
「えと、確かこの店だったな…アパレルでバイトしてんのか…」
店内をキョロキョロ見回すと、接客途中のランランを見つけた。
「へー、働いてる姿を見るのはなんか新鮮だなぁ」
「いらっしゃいませー、どうぞご覧くださいませー!」
「お客様、なにかお探しですか?プレゼントですか?」
「あ、いえ、え、大丈夫です!」
僕は一目散に店から逃げた。
またきっといつかどこかで 4
「おはよーございまーす」
「ああ、山本くん...おはよう、ジャンプを...」
「ああ、わかりました、買ってきますねー」
「内辺先輩、ジャンプとコーヒーっす」
「ああ、ありがとう」
談話室
生協の2階、タバコの匂いと煙が立ち込める場所が
軽音楽部の部室だった。
大体の部員が、休み時間や授業終わりにここで喋ったり、麻雀したり、マンガ読んだりして過ごしていた。
優しい先輩たちと、優しい同回
またきっといつかどこかで 3
大学に入学し、
軽音楽部の新歓コンパは続く。
今日は夜の公園で花見しながらの催し。
「えー、じゃあ自己紹介していこうかー。
そっちの子から!そうそう、キミ!」
新入生あるある、自己紹介地獄である。
何度も言うが、僕は男子校で3年気楽に生きてきてしまった。
大勢かつ女子のいる飲み会での自己紹介など持ち合わせていない。
「えー!藤岡蘭っていいますー。
みんなからはランランって呼ばれてます!
またきっといつかどこかで 2
2005年 4月
新入生のみなさーん、テニス部ですー!
飲み会やりまーす、タダでーす!
とりあえず来てくださーい!
ねえねえ?新入生?
今日新歓コンパやるんだけど来ない?
友達沢山できるよー?
「いえ...すみません...入る部活決めてるので...」
大学入学────
初めての一人暮らし、初めての土地。
そんな事より僕には不安があった。
「男子校で3年気楽にやってきたから女子と何喋って
またきっといつかどこかで 1
「おつかれー、帰るよー」
「チーフ、お疲れ様です」
「ああ、2日間ありがとうね、お土産食べてね」
「いただきまーす」
「また明日ねー」
...日常に戻ってきたなー。
.........。
───ガチャ
「いらっしゃいませ、あ、恭輔くん」
「こんばんは、マスター、ビールと納豆ピザで」
「旅行どうだった?」
「楽しかったですよ、温泉も入れたし、花見して仕事のことも忘れられたし、申