part.22 第3回全国ヨーグルトサミットinいわてが繋ぐ絆とレガシー
想いよ届け!
「全国ヨーグルトマルシェ」
会場は盛岡駅ビルフェザン 本館1フェザンパティオ。
なぜこの会場を選んだのか?
ここには明確な理由がある。
WEB開催を中心としたヨーグルトサミット。
「神がかっている」という言葉が最も正しい。
今回の第一優先は、間違いなくシンポジウムである。
シンポジウム会場となったのが、岩手県情報交流センター アイーナ。
2021年9月段階、先ずはこの会場を確保するところからの説明になる。
助成金の関係より、基として岩手県や市で管理する施設での開催が条件であった。
県外から来ることを想定し、盛岡駅直通のアイーナが適しているという判断になった。
開催は2022年1月目標。
調べたところ、土日での空きが2022年1月15日㈯しか空きがなかった。
前週では早い。
かといって、翌週以降であれば、他の企画や3月の実行委員会解散までに間に合わない。
この日しかなかった。
シンポジウムの会場は決まった。
こうなると、是が非でも全国ヨーグルトマルシェと連動させたい。
シンポジウム終了後、マルシェ会場に来てもらえる環境を整えたい。
徒歩で迎える距離で、集客が見込める会場。
そう考えたときに選択肢は1つ。
それがフェザンだった。
会場が空いており、すぐにフェザン担当者の鎌田氏と交渉した。
その後、鎌田氏の熱意あるプレゼンと対応によって、フェザンでの開催が決定した。
※part.20トップ写真の右下に写るのが鎌田氏。
何故神がかっていたか?
実は、開催翌週の2022年1月23日㈰、感染拡大予防の観点より、岩手独自の緊急事態宣言が発令されたのだ。
仮に翌週以降しか空いていないとなった場合を考えると、ゾッとするとしか言いようがない。
これまでのプレイベントで培ってきたスキル、そして、本来ならば一緒に立つはずだった乳業メーカー・関係者全ての想いを乗せてイベントに臨んだ。
気合が入らない訳がない。
現場の統括を担当したのは小林。
売場構成・人員配置・企画構成など全てを担当した。
売場構成
先ずは売場だ。何を売るか?
会場は決して大きくはない。
それでも、出来る限りの演出をしてやろう。
最後まで付き合ってくれた34の中小乳業メーカー。
彼らの想いも背負うのだ。
まず、ヨーグル党総選挙に出品した商品を揃えることとした。
ここで、ポイント。
メーカーに消化仕入れを促すことだけは、やめてほしい。
消化仕入れとは、簡単に言えば「売上が立った分だけお支払いする」というシステム。
これには何が足りないか?覚悟である。
何度も説明しているが、ご当地ヨーグルトは製造数が限られる。
こだわり、ストーリーがある商品だから当然だ。
そして、丹精込めて1つ1つを作っている。
売り切る覚悟と伝える覚悟、それがあって当たり前だ。
今回、大きなリスクを背負って多額の仕入れを行った。
全額実行委員会での買取だ。
そして、グッズ。
小美玉ふるさと食品公社の木村工場長は、工場長という枠を越える人物。
デザイナーとしての才能も持つ。
しかもオシャレでイケメンだ。
ヨーグルトサミットTシャツもだが、ヨーグルトサミットに関わってきたメーカーのロゴをステッカーにしたシールを作ってくれた。
因みに、向井氏を発掘し、世に広めることになった張本人。
岩手のみなさん、木村氏に感謝を。
そして、牛写真家の高田千鶴氏のグッズだ。
本来ならば2021年9月に売るはずだった牛グッズ。
文具を中心に販売しよう。
特にA5ノートは小林お気に入り。高田氏が撮影した牛たちがページ内にこれでもかと登場し、何とも可愛い。
高田氏の想いも背負った。
そして、今回のヨーグルトサミットinいわてのために作った保冷バッグ。
デザインは、勿論向井氏である。
マチが付いているため、大きなヨーグルトでもたっぷり入る。
頑丈な作りとなっており、私はお弁当箱として使っている。
※現在、販売しておりません。ご了承ください。
次はメーカー紹介だ。
出展できないのだ。これくらいやって当然だ。
各社のこだわりポイントを簡潔にまとめたPOPを作成し、ディスプレーとして展開した。
そして、パネルだ。
岩手県庁でのリリースの際に作成した特大パネルの他、県庁に依頼し、私の彼女であり、岩手県公認Vtuberである岩手さちこの「特大パネル」。
さちこと小林の出会い。
それは、2021年8月26日㈭。
出会いは、西和賀町。
その時は、冬の猛吹雪でもないのに、見えていなかった。
でも、完成した動画を見てみて驚いた。
ちゃんと共演しているのだ!
私は思う。
恋は盲目なのだと。
撮影スポットも欲しい。
写真を撮影いただき、SNSで拡散してもらうためだ。
直径70㎝のデカヨーグルトカップとデカスプーンを小美玉から引き継ぎ、ヨーグル党総選挙のタスキを付けて撮影できるスポットだ。
最後に動画紹介だ。
YouTube動画のほか、第1回・2回のサミット動画も再生した。
先ずは、ヨーグルトサミットを知らない人にも知ってもらうことが第一優先。
人員配置
次に人員配置だ。
開催が近づくにつれ、実行委員会のメンバーも徐々に協力する意欲が出てきていた。
みんなで1つになろう。岩手なりのONE TEAM。
そういう流れが出来ていた。
岩手の乳業メーカー11社から、多くのスタッフが集まった。
集まりすぎて、人員調整をすることになるほどだった。
レジスタッフも必要だ。
実行委で公募をしたところ、4人のレジスタッフが集まった。
彼女たちに敬意を表し、レジガールズと命名。
売場統括を、おおのミルク工房舘又留美(たてまたるみ)氏に任命。
彼女も、これまで一緒に奔走してくれた仲間の1人。
舘又氏との出会いは約4年前。
IBCミルクフェアのご苦労さん会が初めての出会い。
全くの同い年で、その時から話しやすかった。
彼女は何と言っても天然。
天然故抜けてそうに見えるが、SNSでの発信など、熱心に仕事をこなす。
今回私が取材に追われることもあり、売場の副責任者として依頼。
その采配にも間違いはなかった。
企画構成
ただの販売イベントで終わりたくない。
来場者にインパクトを残したい、そして、向井智香をヨーグルト界における「さかなクン」にしたい。
そう思い、考案したのが向井氏の「ズバリ言うわよ!ご当地ヨーグルト診断」。
これは、2021年9月開催中止の怨念。
当時、コロナ禍での開催が明白だったため、少しでも滞留時間を短くしたいと考えていた。
そこで、向井氏に依頼。
「各社のヨーグルトを向井語録にて紹介して欲しい」。
来場する前に、事前の予習をしておけば、導線確保・滞留時間の短縮になると考えていたからだ。
しかし、この企画は水疱と期す。
ならば、形は違えど復活させようではないか!
それが、向井氏の「ヨーグルト診断」。
2000種類以上ヨーグルトを食べつくしている向井氏ならではの企画。
「甘いのと甘くないのどっちが好き?」「酸っぱいのと酸っぱくないのどっちが好き?」などといったヒアリングより、自身に合うヨーグルトを見つけてもらう。
超激務の中、シンポジウムの他に、こういった企画に賛同し、協力してくれた向井氏。
初めに会ったあの時。あの時の自身の感覚にに間違いはなかった。
全国ヨーグルトマルシェ
1日目
朝3:00起床。
まともに寝れなかった。
CMは流れた。ラジオとテレビで告知もあった。プレスリリースもした。
あとは、お客さんが来てくれるか。
やり残したことはないか?
やるだけのことはやった。きっと来てくれるはず。
大丈夫だよな?
ネガティブ気質ゆえ、こんなことを自問自答していた。
商品を持ち込み会場へ。
実は、冷蔵ストックヤードがなかったため、会社から商品を持ち込まざるを得なかった。
3日間、嫌な顔せず朝一に出てきてくれた野口氏には本当に頭が下がる。
商品の搬入も終わり、朝礼へ。
「今日は午前中は慣らしでいきまししょう。勝負は今日の夕方です。3日間の長丁場になりますが、皆さん協力しながら、楽しくやりましょう!」。
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カッコつけたことが仇になった。
朝から来場者がクラフトヨーグルトを目がけてやってきてくれた。
最初から最後まで応援してくれた吉田氏。最終日も朝一に駆けつけてくれた。
本当に感謝しかない。
感傷に浸っている場合ではなかった。
小林は売場全体を見ながら、取材対応に追われた。
この日は、テレビ・ラジオ・新聞などの取材が電話も含めると計7件。
3日間での取材は計10件に及んだ。
取材いただくことに感謝をしながら誠心誠意努めた。
この頃、ある決断をすることになる。
ヨーグルトが予想以上に売れている。
このままでは3日間持たない。。。
断腸の思いで、制限しての販売を決断。
午後に向井氏が到着。
ヨーグルト診断のスタートだ。
牛の被り物に、牛柄セーター。
これが向井智香の真骨頂である。
これまでに関わった方々も続々と駆け付けてくれた。
プレイベントでお世話になった2人。
こういった出会い、きっかけを大事にしたい。
夕方、テレビ岩手・IBC岩手放送のニュースにて紹介された。
初日からの盛況。
明日は、生放送もある。
覚悟しなければ。
全国ヨーグルトマルシェ
2日目
2日目。
4:00には起きていた。
何と言っても、今日は岩手県の誰もが知る超人気番組「じゃじゃじゃTV」。
生放送・・・
間違っても「スポーツマンヒップにモッコリ」なんて言えない。
実を言うと、今井日奈子アナウンサーに会える期待以上に、テレビに出るということに超絶緊張していた。
ただ、今までの自分と大きな違い。
信念と覚悟があった。
本当は当事者がその場に立ち、紹介することが理想。
だが、コロナ禍。それが出来ない。
ならば、私が伝道師になるしかない。
中本氏・向井氏のように。
この2年間で最も鍛えられたと言っていい。
良いところを見出す。
迷いはなかった。
番組は9:25からスタート。
番組終了までに5回ほど出番があった。
自分の出せる全てを番組で出しきった。
生中継後、真っ先に声をかけてくれたのが岩泉ホールディングス山下氏。
「ホテルで見てたよ、良かったよ」。
この一言を聞くために2年以上奔走した。
そう言えるほど嬉しい言葉だった。
昨日以上に会場は大盛況。
じゃじゃじゃTV放送後、来場者が後を絶たなかった。
14:00過ぎには当日売る分の殆どが無くなっていた。
来場いただいた方々には本当に申し訳なく思う。
2日目あとがき
実は、この日。
今井アナウンサーとの再会の他に、同じくらい、いや、それ以上に嬉しかった出来事がある。
遡るのは前日、いや、10年前というのか。
私と妻は岩手県にある「メトロポリタン盛岡ニューウイング」という場所で結婚式を挙げている。
14日、来客者の中に、その時お世話になった可能性のあるウェディングプランナーの菅田(すがた)氏らしき女性の姿があった。
ただ、マスク越しだったため、違う可能性もある。
声をかけて違った場合、失礼だから控えよう。
初日の販売が終了した。
でも、ずっとモヤモヤが晴れなかった。
何故なら、先月に家族で「メトロポリタン盛岡ニューウイング」に宿泊し、「菅田さんに会いたいねー、でも覚えてないかもね、10年前だし。」といったような話をしていたからだ。
初日終了後、販売スタッフ全員で歩いてたときに、ぼやっと呟いた。
ここからは台本形式。
小林「多分そうだと思うんだけどなぁ」
皆「?」
小林「結婚式のときにお世話になった方だと思うんだけど、、、」
越場氏「菅田さん?めっちゃ知り合いだけど?」
小林「えっ!?」
越場氏「明日連れてきてあげる!」
変わらず、本当に素敵な方だった。
これは後日談。
全国ヨーグルトマルシェの1週間後、菅田氏から胸熱メールが届いた。
いてもたってもいられず、家族で菅田氏の元へ向かった。
おそらく、コロナ禍で開催されなければ、こういった出会いは無かった。
2年間走り続けた軌跡。
家族を見せれたことは、私・妻にとっても、かけがえの無い思い出という財産。
心の喜びは目減りしないし、暴落しても元本割れしない(菅田氏談)。
全国ヨーグルトマルシェ
3日目
3日目。
いよいよ最終日。
前日24:30近くまで飲んでいたのに、3:30には起きて作業をしていた。
気を張っていたのだ。
昔の自分なら考えられない。
昨日で取材対応も終わり、今日は販売に集中だ。
今までやってきたことを全て出し切ろう。
9:55、最後の朝礼を行った。
「みなさん、長丁場に渡りお付き合いいただいて、ありがとうございます。本日いよいよ最終日です。搬入含めると3日間、日を追うごとに連携が出来ていると感じ、本当に嬉しかったです。今日は朝からお客さんが沢山いらっしゃると思います。おそらく午前中勝負です。最後までお付き合いよろしくお願いいたします。」
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10:00オープン。
開店と同時に、多くの来場者が訪れた。
前日、スタッフが「明日の朝だったら買えると思います」と声掛けしていたことは大きな功績だ。
15個用意していたレジかごが足りなくなった。
これは大きな反省。
フェザンサイドに大量のレジかごを用意いただいた。
スタッフ総出。
この表現が正しい。
これまで大きく促してはいなかったが、レジ待ちが絶えず、遂に誘導することとなる。
この頃、自分の置かれるポジションで何をすべきか?
スタッフ全員、自然と体が動いていた。
レジ待ちの列はついに、コの字に。
向井氏のヨーグルト診断も盛況。
若い女性を中心とし、ヨーグルトファンが向井氏との対面に目を輝かせていた。
午前中には、岩手県外のヨーグルトはほぼ完売。
午後には売るものがほぼなくなった。
最後まで在庫を持たせることが出来なかったこと、待ち望んでいたヨーグルトファンにお届けなかったことを心から悔いる。
記念撮影
午後は、これまで関わってきた人たちによる撮影タイム。
いくつか共有したい。
先ずは、おおのミルク工房。
手前に写る若い男女は、おおのミルク工房が拠点を置く久慈地域の酪農家さんや、商品開発を共にしている高校生たち。
因みに、手前左から2番目の彼。
オンラインギャラリーでも出演してくれた清水牧場の息子さんだ。
浅水巧美という男を慕い、ここまでやってきたのだ。
浅水氏は感無量だったに違いない。
向井氏と一緒に写る右の彼女。
実は、第1回小美玉のヨーグルトサミットの際にボランティアスタッフとして携わっていた。
それがきっかけで、2021年度乳業界に飛び込んできた。
第1回のバトンが、第3回に渡って繋がれた瞬間。
感無量だ。
今後はこういった形をモデルケースとし、ヨーグルトサミットを通じて、就職斡旋を構築できる場を創出して欲しいと切に願う。
「全国ヨーグルトサミットinいわて」は上役の後ろ盾もあり、向井智香氏・岡田慎也氏・小林の3人が中心となり、サミットを盛り立ててきた。
改めて言おう。
牽引したのではない、共に歩んでくれる仲間との場を創出したのだ。
傍から見れば、小林が皆を引っ張り、皆を連れてきたかに見える。
そうではない。
自身を殺し、他を生かす。
独り善がりでは意味がない。
つらい思い、苦しい思いを共に背負い、肩を並べ歩むのだ。
屍を歩んで越えてこそ人間。
死にゆく人に蓋をしてはならない。
だって、人は心を持った成長する存在だから。
これは、苦楽をともにしたからこそできる全力の笑顔である。
ヨーグルトは完売。
遂に売るものは、ほとんど無くなった。
壮絶な3日間の販売。
同会場でのイベント。
バレンタインデーに次ぐ、歴代2位の販売実績だった。
最後まで一緒に販売してくれたスタッフ、そして、後ろ盾となってくれた関係者、ヨーグルトファンに、心からの敬意を表したい。
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ありがとう。