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最近こたつの中で読んだ、お気に入りの4冊の色彩本。

こんにちは、ペパボでWebデザイナーをしているふっくぅと申します。

最近こたつを買いました。
居心地が良すぎて、休日は1日中こたつの中で過ごし、みかんを最低4つは食べてます。おかげ様で手は真っ黄色です。

この記事では、最近読んだ色彩に関する本の中で個人的に印象深かったものについてまとめています。

配色の教科書

配色に関する本は山ほど出版されていますが、この本では色彩学者の色彩調和論、それらに影響を受けた芸術家達の絵画論まで多岐にわたって紹介されている珍しい本です。大体はどちらかに偏った内容になりがちなのですが、この本ではバランスよく解説されています。配色を検討する際に読み返す実務的な本と言うよりも、色彩の歴史に関する読み物に近い本です。よく見る配色理論がどうやって生まれ、どうやって展開されてきたのかが詳しく説明されています。古代ギリシアから中世までの色彩調和に関する考え方など、普通の色彩本では知り得ない内容で非常に濃かったです。

色彩検定® 公式テキスト 1級編(2020年改訂版)

6年前に取得した資格ですが、約10年ぶりに改訂されたとのことで購入しました。1級では色彩のプロフェッショナルとして、色彩の文化・色彩調和論・光と色・ファッション・測色etcなど幅広い知識を必要としています。そこに新たな色彩とビジネス(カラーマーケティングやカラーリサーチ、CMFなど)や景観色彩が追加されており、特に色彩とビジネスの章は、どの分野のビジネスにも応用できそうな色彩知識や考え方を、実務で活かせるよう解説されていました。10年ぶりの改定ということで新しい情報が盛り込まれていましたし、幅広い色彩知識が網羅されているので受験せずとも色彩の知見が広がる本だと思います。

アニメーションの色職人

スタジオジブリで色彩設計をされ、色職人と呼ばれていた保田道世さんの半生を描いた本です。ほとんどのジブリ作品に携われており、宮崎駿さんからは「戦友」と呼ばれていました。何気なく観ているアニメの色彩も誰かが色を指定しているのは当然として、ではどうやって色を決めてゆくのか。物理的な質感や陰影、心理描写を考慮した色指定、はたまた監督の意向を汲み取った上で、限られた時間の中膨大な色から選別するのは相当な労力が必要になります。ほとんど1週間会社に泊まり込み、睡眠は2〜3時間で日曜日に帰ることもざらと過酷な環境です。ですが本を読んでいて、辛さや悲愴感といったものは感じられず、保田さんは色彩設計というお仕事を心から楽しまれている印象が強く残っています。何度も観ているジブリ作品も、こうした裏側のお話を知るとまた違った観え方がして面白いと思います。表紙にあるもののけ姫のサンに色指定されている描写も素敵です。

ハマる配色


よくある配色本は、カラースキームだけがズラリと並べられているものが多くあります。実際、配色だけではモチーフに当てはめた際のイメージがし辛い点があります。この本では系統カラースキームはもちろんのこと、それらの配色が実際に使われているプロダクト例が記載されており、配色イメージが湧きやすいです。「色の組み合わせを機能させるためには、異なる色同士が互いに引き立て合う必要がある」ということで色そのものではなく、色の関連性や繋がりを重視されており、この本では「補色」「対比色」「類似色」といったものが重点的に載っています。海外のあらゆるプロダクト例と配色が載っているので目でも楽しめる本でした。

おわりに

高校生時代から色彩の勉強を始め、ある程度知識がついてきたのでは?と思いながら勉強していると自身の浅薄さに気づかされます。色彩1つを取っても、芸術の分野だけではなく心理学・物理学など、全然違う分野の学問が関連しておりとても複雑で奥深い分野です。来年もいろんな色彩本に触れて、色に関する知識欲を満たしていきたいと思います。

今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

この記事は GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2020 の16日目の記事でした。



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