第21回Book Fairレポート~四畳半(おうち)読書会体系~

狭い部屋でも、心は広く!

失意の中止から1ヵ月。オンラインに活路を見出し、第21回のリベンジ開催にこぎつけました!

初のZoomで、不慣れな進行だったことは否めません。それでも、遠方にいる参加者さんと久しぶりにお会いできるなど、嬉しい成果も沢山ありました。

「本は心の窓」という、Book Fairの原点も思い出す回でしたね!!

参加してくださった皆さん、本当にありがとうございます。

(引用ボックス内の言葉が、今回の「マイ帯」です!!)

ふっかー(21)→星野智幸『俺俺』新潮文庫


”史上最悪の詐欺、騙す相手は「自分」”

★数年前に映画化(KAT-TUNの亀梨和也さん主演)。「画面が亀梨くんだらけの予告編」に笑った記憶のある方も、いるかも。

★オレオレ詐欺を引き金に、周囲の人々が、どんどん「俺」化していく。生きづらさを抱えていた主人公は喜ぶが、次第に自己嫌悪の沼にハマりこむ…

「自分に嘘をついてしまう」「自分と他人の区別がつかなくなる」という戸惑いから、人との繋がりについて考える小説です。


おぐろんさん(初)→森実登美彦『四畳半神話体系』角川文庫


”僕たちの現在を 繰り返すことだらけでも いつか君と出会おう。”

★理想のキャンパスライフになるまで、何度も未来をやり直す京大生の「並行世界」を描く。小説だけでなく、アニメも人気。おぐろさんが今年、京都に新天地を求めた縁もあり紹介。

★主人公の自分語り、またどんな可能性を選んでも現れる悪友「小津」の存在が魅力的。人生が、どの道を選んでも後悔するように思えるのは「運命の黒い糸」のせい…?(今回は、参加者の学生時代の話題でも盛り上がりました!)

★帯は、アニメ版のオープニングテーマの歌詞から。曲はASIAN KUNG-FU GENERATION『迷子犬と雨のビート』

けんたろーさん(初)→ダン・ブラウン『オリジン』KADOKAWA(上下巻)


”宗教学を揺るがす人類の 次に地球を制する生物とは?”

★『ダヴィンチ・コード』など、ラングドン教授が活躍するミステリーシリーズの一作。三大宗教論などを交えながら、人類の「ありえそうな未来」が見えてくる。

★作者は、父は数学者、母は宗教音楽家という環境で育った。そのバックグラウンドが、宗教と科学が衝突する物語のテーマに反映されている。

★暗殺された科学者・カーシュが遺した人工知能(AI)の謎と、「人類はどこから来て、どこに行くのか?」という問いが重なり、夢中で読めてしまう。

ぱんださん(2)→宮台真司『きみがモテれば、世界が変わる 宮台教授の<内発性>白熱教室』イースト・プレス


”終わってるおとな、このままじゃ終わらせない”

★ぱんださんがスタッフを務める『まちライブラリー』に所蔵されている本。モテる=承認される。著者は、モテない人も、他者を幸せにすれば変われると呼びかける。

★社会は、人に任せてブーたれるクレーマー(「終わってるおとな」)ばかりになっている。これは東日本大震災の直後に書かれた本だが、今もその状況は変わっていない。

★(Webライター・けんたろーさんの視点)芸能界に目を向けると、たとえ仕事がなくなっても、誰かのために行動できる人はいる。例えば、芸人の小島よしおさんは教育学部の経験を活かし、休校中の小学生のため、YouTubeで授業を配信している。また、声優の悠木碧さんらは親子向けに、読み聞かせ音源の企画を始めた。

おづさん(2)→荒井ママレ『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』(既刊4巻)ゼノンコミックス


病院薬剤師って何?薬剤師の仕事とは?薬剤師って要らなくない?→あなたの毎日を守る小さな小さな”最後の砦”

★おづさんは「読書×薬学」「教育×薬学」をテーマに活動する薬学生。外出自粛の状況にある薬学生のため「オンライン合説」にもスタッフとして参加。

★病院薬剤師は、医師の処方せんを確認し、患者さんに薬を出す前に「軌道修正」する役割がある。独断では決められないため、医師とのコミュニケーションに苦労することも多い。しかし、副作用などのリスクから患者さんを守る、重要な「最後の砦」である。

★(ふっかーの視点)漫画を通じて、あまり知られていない病院薬剤師の仕事に、関心を持たれるようになればいいと思う。今年4月から予定されていたドラマ版の放送は延期で残念だけれど、原作を読みたいです。




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