おうちで学ぶ、 #デマ撲滅 と #やさしさの伝染 ~物語の力、お借りします!(後編)~
このnoteは、こちらの呼びかけに賛同する形で投稿します。第2弾です。
今回は、【やさしさの伝染】という公共アクションについて考えるウルトラエピソードを紹介します。
#やさしさの伝染 を始めるためのウルトラシリーズ作品4選
1.ウルトラマンダイナ第20話『少年宇宙人』
ある日突然、自分が宇宙人の子孫であると告げられたら?
あるいは、ある日突然、親友が宇宙人で、もうすぐ地球を去らなければならないと知ったら?
一歩間違えば、宇宙人が迫害を受けてもおかしくない状況。でも悟の周囲は、幸運と優しさに満ちていた。
飛び立つことのできない悟(ラセスタ星人)にダイナがかけた、厳しくもあたたかい言葉が印象に残る。
→脚本は、現在『相棒』シリーズも担当、小説家でもある太田愛さんです。個人的には、就活中に初めて見た回。その時は涙で目が腫れました。泣いてる場合かっ!
2.ウルトラマンコスモス第24話『ぬくもりの記憶』
「手つないだら、疲れないよ」
あなたは、見ず知らずの人の優しさを受けたことがありますか?
優しさのギフトは、何の前触れもなく贈られてきます。気付いた時にはもう、贈り主の顔も、名前も、わからなくなっていたり。
それでも、一期一会の愛をまた、別の誰かに「返す」こともできる。そしていつか、再会することもあるのでしょう。
これは、携帯電話が壊れた街で起こる、そんな奇跡の物語です。
→ちゃんと(?)怪獣と戦うシーンもありますので、バトル好きな方も退屈はしないはず!笑
3.ウルトラマンガイア第39話『悲しみの沼』
「人が人を許さない限り、争いはなくならないんだ」
地底貫通弾による土壌汚染について調査する我夢隊員(=ウルトラマンガイア)。その最終ポイントである名連村で、沼の妖怪・ツチケラの伝説を知る。
その正体は、太平洋戦争中の日本で、細菌兵器の実験台にされた男・近藤だった。彼の親友・平野が語る、近藤の悲しき過去とは…
→当然のことながら、ツチケラは架空の存在です。しかし戦時中、日本軍が細菌兵器の開発を行い、人間を実験台にしていた事実は明らかになっています。
さらに、異形となっても人間の心を失わずにいたツチケラが暴走した理由は(=近藤)、地底貫通弾の影響。これは以前の『ガイア』で、防衛軍が怪獣に対して使用した兵器でした。
戦争が終わっても、人間は環境破壊という過ちを繰り返す。他方、憎しみの伝染を止めたのは、近藤と平野の優しさ(友情)に依るところが大きい。今の私達にとっても、考えさせられるストーリーです。
4.映画『ウルトラマンコスモスvsウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』
人類を危険視する「宇宙正義デラシオン」が、35時間後に地球生命のリセットを宣言する。コスモスは、デラシオンが送り込むロボット兵器と戦うが、もう一人のウルトラマン・ジャスティスに妨害され、敗北…
かつてコスモスに協力したジャスティスは、実は宇宙正義側の戦士だった。ジュリという女性に変身し、滅亡に向かう地球を観察するジャスティス。しかし、最後まで諦めない人間の姿に触れ、その冷淡な心境に変化が生まれる。
→「んなアホな」と言いたくなる一方的な通告で、デラシオンは人類の排除へと動く。
それを受けた各国首脳の反応や、日本の若者たちの自暴自棄な態度には、「ステレオタイプだ」と不快感を覚えるかもしれません。
しかし、世界を見渡せば、一国が別の国を、軍事力で「リセット」しようとした例など枚挙に暇がありません。さらに、独善的な買い占めや「俺は感染者」と言いふらす行為など、「やけくそ」も私たちの身近にあります。
また、ジュリ(ジャスティス)の改心の流れがご都合主義すぎるよね、と思う方も多いはず。実際には、「希望」というメッセージを送り続けるだけで、暴力を止めるのは難しい。
ただ、それでも人間の美しさ・醜さの両面をしっかりと見せている点で、学びの多い作品です。ちなみに、一度敗れたムサシ(コスモス)の復活には、それまで彼が周囲に伝染させてきた「優しさ」が深く関わってきます。
テーマが複雑なだけに、矛盾も多く目につくけれど、ぜひ幅広い年齢層の方に見ていただきたいと思います。
(超余談ですが、自分は大学生の頃、この映画と「9.11後の世界」を関連付けて論文を書いた記憶があります)
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