『あけるな』
1976年に銀河社から出版された『あけるな』は、谷川俊太郎作・安野光雅絵という奇跡のようなコラボレーションが実現した絵本です。
「あけるな」と書かれた扉。ページの先に展開するのは、美しくも不思議な世界......。ストイックなまでのシンプルな物語ですが、だからこそ人間の心理に響くのでしょう。この本は2006年に復刊し、順調に版を重ねて2018年に8版となりました。
幼少期にはこのお二人のことも全くわかりませんでしたが、いま考えてみるとまるで奇跡のような組み合わせです。
昔の絵本を読み返すと「え! この人が書いてたの!?」と発見することが多いのですが、この絵本もそう。
『セールスマンの死』で有名なアメリカの劇作家、アーサー・ミラーが書いた『ジェインのもうふ』(作: アーサー・ミラー/絵: アル・パーカー/訳: 厨川 圭子/出版社: 偕成社)
当時は表紙の絵が少し怖かったのですが、いま読み返してみると隅々までかわいらしく、なにがあんなに怖かったのか全くもって意味不明です......。
お気に入りの毛布を片時も話さなかったジェイン。ジェインの成長とは逆に毛布はすりきれてだんだん小さくなっていきます。そんな小さくなった毛布を必要としていたのは......?子どもの成長を温かな目で描いた名作です。
*さきほど実家の母に頼んで表紙の写真を送ってもらった際に「裏表紙もかわいいから!」と興奮気味に送ってきたのがこちら▼このまま額装したいくらいの愛らしさです。
小さいころに読んだ物語を何十年もたって読み返すことの楽しさ、そのめぐりあわせの面白さを感じます。そしてずっと本を保管してくれている親にも感謝した出来事でした。
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