麻雀牌のかなしみ(kiris_kirimura)
麻雀牌は かなしみました。
いっつもみんなで たのしく やってきたのです。
いろんなひとが ここに きていました。
いつものひとが しょっちゅう きたり、
しばらくぶりのひとが またきたりして、
みんな うれしそうで たのしそうだったのです。
みんなの えがおや はなしごえが うかびます。
おさけくさくて たばこくさかったけれど、
点棒たちといっしょに わあ!けむたいね!と
かおをみあわせ ささやきあっていたけれど、
みんなにあえるのが いっつも たのしみでした。
みんなに 勝ってほしかったけれど、
麻雀はそういうふうにはつくられていなくて、
こころをいためることも ありました。
ツヤツヤ!カチャカチャ!と しているだけでは、
のりこえられないよるも ありました。
でも、それでもみんな うれしそうでした。
まけた人にかぎって、もうはんちゃん!などと
いちばんおおきなこえで いうものです。
麻雀牌はいつもこころでこう こたえていました。
そうだそうだ!もうはんちゃんだ!!
つぎこそきっと とっぷだよ!
さみしいのは やっぱり かえりぎわです。
「またちかいうちに」なんて いってたけど、
みんな いそがしそうな ひとたちです。
でも 麻雀のこと わすれないでね、
ぜったいまたきてね、またあそぼうね!と
まっとのうえから みおくったものでした。
いったい なにがおきたのか、
麻雀牌には、わかりません。
あのひの たのしい麻雀がさいごだなんて、
そんなこと しんじられるわけがありません。
くろーぜっとのやみが つぶやきます。
”おまえはこのくろいはこに しまわれたまま、
いっしょう でられないかもしれないね。”
点棒もサイコロもマットも ふるえています。
でも 麻雀牌は まけません。
それでもときどきは ふあんになります。
そんなときは おもいだすのです。
あのときのたのしそうな わらいごえを。
だって、ここからでられないなんて、
そんなはずは ないのです。
すぐあおうって やくそくしたのですから。
またみんなでいっしょにあそぼうねって、
えがおで わかれたのですから。
そして麻雀牌は、はこのなかで ゆめをみます。
みんなでたのしく あそんでいるゆめです。
ときどき めをさますけれど、
まだ でばんでは ないようです。
だって みんながまだ そろっていないから。
つぎは いつきて くれるかな?
はやくみんなに あいたいな…
みんなげんきに してるかな?
たのしみだな…
そうおもいながらまた ねむりにつきます。
ねえ またいっしょに あそぼうね!
つぎこそきっと とっぷだよ!!
@kiris_kirimura なんでもかなしみます。すぐ泣くよく泣くはやく泣く。
麻雀監修@新巻鮭 おいしいです。
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