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ここではないどこか 韓国ドラマの世界 最終回「Netflixの韓国ドラマ」(せともも)

 これまで何度も「梨泰院クラス」や「ザ・キング」について触れてきましたが、最終回ということで、「Netflixで観れる韓国ドラマ」からオススメを紹介したいと思います。
と前回予告した後で知ったのですが、TIMEで「Netflixの韓国ドラマベスト10」という記事があったようです。アメリカ国内のNetflixで見られることが条件のようですが、最新作からあの名作シリーズ「応答せよ」まで紹介されています。

読むと、これからも面白い韓国ドラマをどんどんNetflixで見ることができそうで、楽しみです。


「愛の不時着」(2020)

韓国の令嬢がパラグライダーで北朝鮮に不時着し、エリート軍人に出会う。
二人のラブストーリーです。
同じ脚本家の「星から来たあなた」は朝鮮時代に不時着した宇宙人(400年以上生きている)が、一人の女性と出会い、時代を超えて現代でまた生まれ変わったヒロインと恋をする。
不時着もの、という点では同じでした。
さらに、「青い海の伝説」は現代に漂流した人魚がヒロイン。
ストレンジャー、ある世界に部外者が来てしまう、という設定が多いようです。
主人公にとって、異世界である場所での恋・・・
恋とは心がどこかに不時着してしまう、異世界に迷い込んでしまうようなもの・・・ということかもしれません。
最近観たばかりということもありますが、脚本が素晴らしすぎて語り出すと止まらなくなってしまうので、また別に書きたいと思います。

個人的には、この脚本家の「プロデューサー」というドラマもオススメです。
「星から来たあなた」で完璧な宇宙人を演じたキム・スヒョンが、ソウル大出身でテレビ局という異世界に不時着する新入社員を演じています。


「ロマンスは別冊付録」(2019)

昔、習作で書いたシナリオに、「付録の恋」というのがありました。
子供の頃からいつも目立つ幼馴染にくっついているオマケのような存在だった、地味な書店員である主人公(でも、書店員としてはめちゃくちゃ有能、膨大な在庫を全て把握している)が、お店がなくなってしまうことから初めて自分の世界を出て転職活動すると、恋もついてくる。というようなストーリーだったと思います。
その頃、というかもうずっとですが雑誌の付録ってすごいなあと思っていて、もはや雑誌か付録、どちらが主かわからなくなったな、と思ったことから書いたのですが、
このドラマは編集部が舞台になっていて、昔からよく知っている弟のような存在の年下の男の子、が編集長となり、バツイチ子持ちのヒロインとの恋、を描いています。

「君の声が聴こえる」以来、過酷な状況に置かれる主人公ばかりを演じてきたイ・ジョンソクが、初めて普通に穏やかなキャラクターを演じています。


「梨泰院クラス」(2020)

外出自粛期間と重なって、何かと話題になり、韓国の半沢直樹!?とも言われているドラマ。確かに復讐もの、という面ではそうなのですが、それをいうならそもそも韓国における復讐ものの完成度の高さ! 
ドラマというのは性質上、どんなものでもある程度の復讐、逆転劇的な要素があると思うのですが、韓国のものはカタルシスが半端ない、その代わり、前半は見てる方もいやになるほどの屈辱、傷を受けるシーンが用意されている。それが苦しくて、なかなか見ることができないのですが、このドラマは新しいキャラクター、舞台設定で、惹きこまれていきます。
梨泰院という実在のカオスな街を、どこか近未来的に美しく撮っているのも理由かもしれません。(「ブラックパンサー」の韓国を思い出しました)


最後にこれから楽しみにしているのが、先日発表された「保健室のアン・ウニョン先生」のNetflixでのドラマ化。
原作は、チョン・セランの小説なのですが、脚本も本人がやるらしく、ナム・ジュヒョクと映画「82年生まれ、キム・ジヨン」も楽しみなチョン・ユミが主演。
来年上半期に配信予定だそうです。

外出自粛期間にこの紹介を書いているうちに、私も何度目かの作品をまた観たり、ずっと観れてなかったものを観たり、新しく配信されているものを観たり、やっぱり韓国ドラマは底なし沼、お陰でしっかりこもって観ることができました。相馬さん、機会をくださりありがとうございました!

他にも「恋と法律」韓国ドラマになぜか多い法廷を舞台にしたラブ&法廷もの、
「ドラマの中の絵本と詩集」出てくる出てくる、絵本と詩集、
「オッパと呼んでもいいですか?」トレンドを超え定番化!?年下男子もの、
「私がオルマナ(どれだけ)・・・」韓国ドラマで最頻出のセリフ(*未集計)
など書きたいことがたくさんあるのですが・・・
noteで少しずつ書いていけたらと思っているので、また見ていただけると嬉しいです。
まず初回は、「100日の郎君様」を脚本家でみる、という記事を書いています。

ぜひ一度近いようで遠い、似ているようで違う、ここではないどこか。
韓国ドラマの世界に覗いてみてください。

せともも
ラジオを中心に、脚本などを書いています。
韓国ドラマを、できるだけ、俳優以外の視点で紹介します。
http://www.setomomo.net

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