セルフ・コンパッションは自分への思いやり
ネガティブ感情という「心の痛み」から回復できると、
ストレスも軽減できます。
回復力は、レジリエンスの特徴のひとつです。
心理的資本を減らさない
怒り、悲しみ、挫折感、不安、負担感など、
いろいろなネガティブ感情がありますが、
全て、心理的資本を減らす、マイナスエネルギーです。
ちなみに、
心理的資本 (phychological Capital) は、「人を動かす幸福感」だと
マーチン・セリグマン博士は定義しています。
対比されて使われる
心理的コスト(phychological Cost) は、「消費された感情エネルギー」。
我慢や緊張が続くと、どっと疲れる。
気疲れは、まさに心理的コストを使っている状態です。
マイナスエネルギー(=心理的コスト)は、
ずっと心に留めると、どんどん、心理的資本が減ってしまい、
空っぽになると、動けなくなります。
大切な資本を守るための防御行動で、
「心の痛み」を感じなくしたり、別のものに変えてしまうことがあります。
しかし、拒否すると、逆に苦しさが増してしまいます。
資本が減ると分かっていても、
ネガティブ感情を一旦受け入れた方が、
その後の回復が早いことが分かっています。
3つのストレス反応
ストレスにさらされたときには、3つの反応があります。
1.戦う 精神的な脅威に対して批判する。
2.逃げる 孤立に向う。
3.固まる 同じ感情が繰り返されて、身動きがとれない。
戦う相手を自分に向けると、自分を痛めつけてしまいます。
「何でもない」と平静を装って逃げることもできますが、
どこかでネガティブ感情は残っています。
頭が真っ白になったり、不安だけが増して固まってしまうと、
身動きが取れず、事態は変化しません。
このような状態だと、心理的資本は減り続けています。
自分の感情と戦って、自分を批判し、責めると、こんな感じです。
「自分が腹立たしい。自分を軽蔑する。」
「不甲斐ない自分が許せない。」
「罪悪感がある。」
「こんな自分が嫌だ!」
ここから発奮して、良い行動がとれる人もいますが、
私は、益々落ち込みそうです。
セルフ・コンパッションで回復させる
行ったことが失敗だったとしても、
「自分=失敗人間」ではない。 これが大前提です。
さらに、傷を深くしないように、
このように、自分を思いやってみます。
「完ぺきではないのが人間だ。」
「うまくいかなかったけど、よくやった。」
「落ち込んでるけど、きっと大丈夫。」
「失敗は人生の一部で、これが全てではない。」
身体の痛い部分を、やさしく手でさするように、
心の痛みにも、やさしさが必要です。
これが、「セルフ・コンパッション」(自分への思いやり)です。
コンパッションは、日本語で「慈悲」
いつくしみ、大切に思う、思いやる気持ち。
自分に対しての慈悲の気持ちで接するのが、セルフ・コンパッションです。
「自分を憐れむ?」
「自分を甘やかしていいのか?」
「人からどう思われるか? そんなことでいいのか?」
自分に厳しい方が、甘やかすより、正しいあり方だと思う。
そう思う気持ちは、世界共通だそうです。
自分には厳しくした方がいいと思うことで、
ますます傷つけてしまいませんか?
ストレスには、
戦ったり、逃げたり、固まったりせず、
まずは、事実を受け入れて、コンパッションです。
実際、自分を思いやれる人の方が、
精神的な立ち直りが早いだけでなく、
失敗に対する恐れが低く、
モチベーションを維持しやすいと言われています。
つまり、レジリエンスです。
自分に厳しすぎると思った方は、
セルフ・コンパションを、試してみましょう。
きっと、レジリエンスも高まります。
資本を増やす行動をとる
セルフ・コンパッションで、マイナスエネルギーを止められたら、
次は、減ってしまった資本を増やす行動に目を向けます。
幸福感を増やすのですが、
心理学者によると、以下は効果があるそうです。
周りに感謝する。
誰かに親切にする。(感謝される)
笑う。
感動する。
運動をする。
もし、自分への思いやりがないと、
これらの行動もとりにくいのではないかと、私は思います。
そして、心理的資本を回復させたら、いよいよ次の行動です。
マイナスエネルギーを終わらせているので、
ここで行動しないと、もったいないです。
準備は整っているので、実行に移すチャンスです。
レジリエンスを実践してほしいと思います。
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