日本酒ベンチャーが創業2人目にクリエイティブディレクターを迎えたわけ
こんにちは。「HINEMOS」という日本酒を展開している酒井です。
時間をコンセプトにした日本酒で、8銘柄を展開しています。
昨今、コロナの話題で持ち切りですが、われわれ日本酒ベンチャーができることは、事業を磨いていくことなので、きたる経済回復までに、粛々とやっていきたいとおもっています。
ちょうど、HINEMOSを一般公開したのが、2019年5月1日でした。もう少しで1年が経とうしています
製造、企画、物流、販売、ファイナンスと行ってきましたが、愚直に学びながらやれば、進んでいけるという実感をもちはじめています。
ただ、その中でも「なんて難しいんだ・・・」と毎回、頭を悩ませるのがあります。「アートへの投資」です。
われわれは、事業のコア・コンピタンスにクリエイティブを掲げています。
これは創業のときに、日本酒が「何を基準に選べばよいか分からない」という体験をしたことからきています。詳しくはこちら
お酒の2杯目(リピート)は「味」できまり、1杯目は「ブランド」「ストーリー」「世界観」「デザイン」といったほかの要素が、カスタマーに手にとっていただくことに繋がりやすいんじゃないか、という仮説をもっています。(もちろん味が超重要なのは言わずもがなですが)
その仮説が確信に変わったときに、2020年2月に、フルタイム役員CBO(チーフブランディングオフィサー)兼CD(クリエイティブディレクター)として、数多くのリクルートのサービスのブランディングに携わっていた古賀氏を迎えました。
「ブランド」「ストーリー」「世界観」「デザイン」をかたちに落とし込むためにキーになるのがクリエイティブだと2人とも捉えています。
創業から一緒にやっていて、HINEMOSは彼との居酒屋での会話から生まれてます。詳しくはこちら
アートへの投資
クリエイティブやデザインというと、ボトルのラベルなどがイメージつきやすいかもしれませんが、
ボトル、キャップ、キャップシール、手提げ袋、配送ケース、パンフレット、写真、Webサイト、レストランメニュー、ポスター、メルマガ・・・
あげていけば山のようにあります。これら全てのUI/UXがブランドや世界観をかたちづくります。
半年くらい前になりますが、とても悩んだときがあります。新銘柄の撮影のときです。どれだけ撮影やセッティングにコストをかけるべきか、揉めました。
銘柄やシーンの撮影は、有名雑誌の表紙をはじめ、多くの方がふだん目にしている広告写真などを撮っている方へお願いしています。ですので、それ相応の対価をお支払いしています。
当時のチャットを振りかえると
Yuta:通常、このクラスの方に頼むともっとすると思うのだけど、●●万円は本当に本当に脂汗が出ます。このタイミングでわれわれの規模で、この予算かけるべきって、ことだよね
まじで汗が出る
この方々への云々でなく、この●●万を使うべきなのかって、とこで苦しいのよね。例えば0時と7時を除くとか。
前回の写真マーケ担当もいないから、そこまで実際使えてないのよね
まじ悩み苦しむ
koga:今の6銘柄バラバラな写真(カメラマンさんとレンタルフォトの写真を混ぜこぜで使っていた)と世界観では二流感が凄いので、ここで一流な写真で揃える必要はあると思う。コスト感高く感じるのは十分承知しているんだけど、一貫した世界観を作るのって思ってる以上に重要。
Yuta:●●●●売るの本当に本当に大変だから、ここにこれだけかける決断をするんだよね、とくまちゃんと自分に言い聞かせてる
くまちゃんにも自分の財布から、●●万ここに出すんだ!って感覚を憑依一体ばりに思って決断してほしい
※ koga = くまちゃん
koga:それは理解している。
ブランドの品質とかを獲得するのってそんなに安くリーズナブルにできないんだということも知っていただきたい
Yuta:もう決断するんだけど、まじで精神削ってることを意思統一したい
koga:それは理解してます
Yuta:われわれはわれわれのお財布から出すから、最高のクオリティを1円玉を数えて出す感じ。それくらいシビア。
koga:彼らも最高のアウトプットをする為にスタジオにロケハンに行ったり備品のお店回ったり照明の計画を立てたりしてくれてます。こういうアートな部分をリスペクトしたり重きを置けないのも少し気になります。
苦しい・・・今でも読み返すと「うぅぅ・・」となります。心の中では、
アートへのリスペクトは最大限もちたい。
ただ、何にでも多くのコストをかけるとベンチャーは秒でつぶれてしまう。
ただ、最高なアウトプットにはしたい。
そして、われわれのコアはクリエイティブなんだ
という自問自答です。ここに定石や正解はない・・・と今でもおもっています。
このロジックでは解が出せないものを、アートという風にとらえていて、そこへの投資、すなわち「アートへの投資」は、ブランドをリリースして、数多くの意思決定の中で難しいことのひとつだと捉えています。
ただ、この「アートへの投資」を考え抜いた先に、築くことができるブランドや世界観がある、と信じて突き進んでいきたいと思っています。
いまの時代、ロジックで積み上げるものに意外なものは生まれないと感じていて、論理を超えた「アートへの投資」こそ、日本酒が国内外に広まっていくひとつのキーだと信じています。
それが、日本酒ベンチャーが創業2人目にクリエイティブディレクターを迎えたわけ、です。
HINEMOSの利用シーン
銘柄のビジュアル
レストランメニュー
時計のパンフレット
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