無色透名祭 個人的名曲
「作者の知名度や話題性によらず、純粋に楽曲だけで実力を知らしめる機会を作りたい」
無色透名祭のこのコンセプトが面白いと思いました。折角の機会なので、出来るだけ正直に、偏見なく、純粋な自分の感性だけで曲の感想を書いてみたいと思います。
そのためのレギュレーションとして、以下を設定します。
➀投稿日時が古い順から再生する(※途中からはランダムにしました)
➁再生数とコメントは出来る限り見ない
また下記の基準に則った評価を「全体」「歌詞とボーカル」「演奏」の3つに分けて行います。
A:企画終了後も聴きたくなる
B:好き、上手い、魅力がある
C:十分良いと思う
D:悪くはない
E:私には合わなかった
こちらに載せる曲は、とても好きな曲のみにしています。
夏が吹く。/初音ミク
見た人に「これはどういう意味だろう?」と疑問や興味を持たせるようなタイトル、好きです。「夏」「吹く」というありきたりなはずの単語からこれが発生しているのがいいですね。その後の歌詞で「夏の風吹く」と出てきてしっかり意味の説明もされます。
夏なのにいきなり「寒い」から始まるのも、遊び心があって好きです。全体がしっかりと時間の流れを感じる歌詞になっているため、一発ネタとして終わらずに、調和しているところも好きです。
「雲が青を追い詰めて」という一瞬意味が取れない言葉も、青空が白い雲で覆われてしまったんだな、ということがすぐに分かる表現になっていて、とても好きです。
演奏部分もしっかり夏と寂しさを感じられていいですね。メリハリもあります。歌詞の無い部分の演奏にも、印象に残る感じがあっていいです。
この曲は多分、企画が終わってからも聴くことがあると思います。
キャラメルヘブン/初音ミク・可不・闇音レンリ
曲調、リズム、音の作り方、めちゃくちゃ好きです。オシャレな洋楽感もありますね。印象に残ります。
歌詞を短めに区切って、テンポよくスッと入ってくるのもいいですね。
歌詞の単語から、その曲を歌っている人というか、その言葉を話していると想定される人のキャラクターを感じられる気がして好きですね。
高飛車な感じ、主張の強い感じ、かっこよさが性格の前面にあり、でも弱い部分もありますよ、みたいな。
これもまた聴きに来ます。
LUAR - 月光/弦巻マキ
ボサノバ、好きな音楽ジャンルなので、どうしても贔屓目に見てしまう感じがありますね。
実際音の作り方がリラックス出来る感じで良いと思うし、ボーカルもこの曲と上手く調和しているように感じます。
歌詞としても、感性豊かな女性が外に出かけて、綺麗な景色と動物たちを見て。
夜の心地よい涼しさと静けさがあり、暗いからこそ明るさが映える情景が浮かびますね。
やっぱり贔屓目に見てしまいます。良い曲だ。
すぅ。 / 知声
音楽として聴いていて、とても楽しいです。オシャレだし、透明感があるし、単調さがないし、個性がある。
歌詞もめちゃくちゃ良いです。抽象的だったり独創的なのに共感性が高い。
「綺麗なゴミ集めて並べて駄目な方行く方がほっとするのね」
「泣かない割に傷は付くのね」
「ああ今日もスタンバイ押す前にオンにしてまた最初から」
「ありふれてたあの日の空気はどんなに泣いてももう吸えないや」
「長期的練習計画で独学で身につける人間性」
まだ挙げることも出来ますが、これらの魅力的な歌詞が演奏とリズムでより引き立てられます。文句なしです。
tanabata/初音ミク
曲調、メロディ、個性がある感じがして結構好きです。タイトルからは想像がつかないめちゃくちゃサイバー、電子音、エレクトロな感じが楽しいし、少し和風な感じも取り入れていて良いです。
歌詞も、全体的に七夕を中心として作られていて、繋がりが感じられる部分があったりするのが好きですね。
「君が言ってた数字だけは頭に残って」「あの夏から随分経つよ」
「まだ君には会えないけれど」「9年後には叶うといいな」
物語を感じます。
あとは、ミクさんの調声が結構好きですね。
不要不急なMeaning / 可不
自然とノれて、リズムを取りたくなる気持ちよさがあります。
曲調もオシャレで、涼しさ、可愛さがあって良いですね。
全体として速めなテンポと元気な雰囲気で進めながら、スッと静かな場面に入り、ボーカルに集中させる。
めちゃくちゃ良いです。めちゃくちゃ良い。絶対上手い人が作ってますね。
歌詞も好きです。わがままな女の子の主張が、前面に押し出されています。
相手に不満を感じていて、何度も喧嘩するのに、それでもやっぱり大好きなんだな、という感じがします。
これが元気な部分を基本として進行し、静かな部分もあるという曲調と見事に合っています。
普段は怒ってばかりいる女の子が、時折見せるしおらしさや弱さや可愛さというわけですね。最高です。
無限に褒めたくなりますが、とりあえずこの辺で。
Mirage/GUMI
音の軽やかで、ホップで、爽やかで、綺麗な感じが良いと思います。
耳に違和感なくスッと入ってくる感じがします。
ボーカル部分とも上手く合わさっていて良いですね。
夜に君と会う、比較的ある方のテーマだとは思いますし、歌詞の単語も比較的よくあるものを使っている部分もあります。
ただ、工夫の仕方に結構個性と魅力が出ている気がします。
「夢の見れない夜」、意味するところは「眠れない夜」だとは思いますが、少し変化球で、オシャレです。
「交差して出会えた歪なメロディ 君のために溢さぬように ねぇ」
こことかは、結構個性があると思います。サビの盛り上がりの部分でもあるので、良いともいます。
意味を取りづらい部分もあるのですが、魅力的な部分が他を引っ張って、どんな意味なのかな、と考えたくさせる感じがしますね。
死んじゃうよ/ feat.可不
歌詞としての言葉遊びが、キャラクターの必死で慌てた感じと一体になっていて、とても可愛いです。
所々、調声が震えた感じになっているのもいいですね。
ニヤニヤしてしまいます。
曲調としてもキュートで、忙しくて、電子音な感じが良いです。
不安な気持ちの部分は不安な曲調になるんですよね。
全体的に曲の作り方が上手いです。
「死んじゃう」という言葉は、本来は大袈裟になってしまう危険もあるのですが、
この子なら言うだろうな、という気持ちになります。良いです。
散歩してる様なイメージでお願いします / 夏色花梨
笑いました。こういうの、好きです。本当に散歩してるみたいでいいですよね。
Jazzとしても好きな感じです。明るく、楽しく、リズムに乗って、気持ちの良い空気。楽器の演奏パートも、映えますね。作業時間に、ずっと流したくなります。
歌詞!歌詞書いて!音楽として本当に好きなので、期待してます。まぁでもそういうものだと言われたら、仕方ないですね。
星屑アクアリウム / VY1
初動から印象的な演奏。
涼しさ、爽やかさ、リラックスできる、心地よさがあります。
ゆっくりしたテンポでも、心を掴む感じがあります。
変化もあって、それが最後まで続きます。
夜、星、光、水槽。このタイプの曲調としてはですが、少しありがちなテーマではあります。でもそれを気にさせない雰囲気もある。
「星屑アクアリウム」などタイトルや歌詞もよくありそうな感じがしますが、
歌詞全体で情景の描写をしっかり行っているので、世界観や心理描写に惹きこまれる感じもしますね。
「新しい部屋は知らない匂いで なんだか落ち着かないや」
「追いかけても届かない花火みたい」
「手を伸ばしても触れないガラスみたい」
歌詞を聴かせて、情景や感情を想像させるのが上手い感じがします。
曲として、普通に人気になってもおかしくないです。