書けなかった中学校の卒業文集の作文〜小説『十三歳の地図』を書いた理由〜
「を、思い出す。
大人になった私は中学生の時の、いったい何を思い出すのだろうか。」
中学三年生の私の卒業文集の作文を要約すると、こんな感じである。
作文の頭の文字は、皆んなで合わせてある文章になるように、指定されていた。
よりによって私は「を」をあてがれてしまったのだ。だからこうなった。
他にも難しい字をあてがわれたクラスメイトもいたので、何も自分だけが不運という訳ではなかったのだ。
作文が得意というか、国語の担当教諭からは「天才的な文学センスがある」言われていた当時の