最近読んだ本①
最近読んだ本です。
ロシアづいていてソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』とか、『ロシア文化事典』とか。『ロシア文化事典』はまだまだ全然で、全体の1/5くらいを好きなところから読んでます。
『イワン・デニーソヴィチの一日』は、むしろ「平和で何事もない時間の収容所小説」というか(ナチスではなく、ソ連の収容所です。思想犯などを矯正したり労働させたりするためのもの)、おそらくもっとずっと過酷だったであろう収容所の強制労働をこういう風に描くことによって大衆に知らしめたところがあるのかなと思いました。(ソルジェニーツィンの『収容所群島』は未読です……!)
発表されたのは、スターリンが死んでいわゆる「雪どけ」が訪れ、フルシチョフ政権下になってから。
何で読んだのかというとソ連の収容所に興味があったのと、ロシア文学の不思議な魅力を解き明かしたかったから。
読んだことある方はおわかりかと思うのですが、ロシア文学って独特のリリカルさ、ユーモア、生活の細密さがあると感じませんか。
「有刺鉄線のむこう側には、広々とした建設現場がひらけ、そのはるかかなたに鉄条網が見えるが、それよりももっと遠く地平線のはてに、まるで霧につつまれたような、大きな赤い太陽がのぼりかけていた。シューホフのとなりにいたアリョーシュカは、太洋を見ると、急に笑顔になり、唇に微笑みを浮かべた。頬はげっそりこけ、内職もしないで配給のパンだけでやっているというのに、いったい、なにがそんなにうれしいんだろう?」
「みんなはシューホフがこしらえた円いペーチカのまわりと、砂を乾燥させているペーチカのそばにかたまっていた。砂からは湯気がたちのぼっている。そこに席のない連中は、モルタル槽のふちに腰かけている。班長はペーチカのすぐそばに陣取って、粥(カーシャ)を食べている。パウロは班長のためにペーチカの上で粥をあたためておいたのだ。」
木村浩さんの訳の妙もあるかと思うんですが味わいが濃くてとても好きなのです。
で、なんでロシア文学ってこういう風なんだろうと(たとえば『巨匠とマルガリータ』とか『外套』とか)思って、『ロシア文化事典』を読んでるところです。とりわけ「民衆文化」が興味深いです。(写真の方には「大地と人」って描いたけど民衆文化の方だったね……あと信仰。)
食の項目も凄く興味深くて、よだれが出てくるお腹が鳴る。
もう少し長く書きたいけどこのくらいで。ロシア文学についてでした。