月明かり

月明かりで 森の中の集落を歩く
木々や 草花が 白く 煌めく

虫の鳴き声を聞きながら
後ろからお化けが追ってこないかと
時々 小走りに

行き先は 地域の集会所 
昭和から平成に変わったころ
お母さんと歩く夜が 好きだった

未曾有と言われる災害で
一変してしまった故郷

もうあの風景は あそこにはない

でも温かい記憶 心の中には
ずっと ある
離れて暮らして もうきっと数える程しか会えないであろう 両親の しわしわの 手の記憶


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