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【レビュー】『Subnautica』 海は広いな大きいな
※個人の見解です。ネタバレ無し。購入検討の参考になれば幸いです。
本作は2018年に登場したオープンワールドサバイバルゲーム。PCおよび主要プラットフォーム全てで遊ぶことが可能。なお筆者はPS4版をプレイ。
主人公は乗船していた宇宙船が不時着し、たった一人広大な海洋惑星に取り残されてしまい、無事に脱出することを目指す。
周囲のバイオームから食糧や鉱石を集め、拠点や様々な装備、潜水艇や探査ロボットを作って生き抜くなかで、次第に海の底に潜む謎に迫ることになる・・・といった作品。
大変高い評価を受けたゲームで、先日ソニーのステイホームキャンペーン「Play at home」の中で無料配布もされていました。入手したけどまだやってないという人も結構多いんじゃないでしょうか。
現在では続編「Subnautica: Below Zero」が発売されており、こちらとセットになったパッケージも発売されているのでこれから購入を考えている方はそちらもご検討を。
一面の海が呼び起こす恐怖と心細さ
頼みの綱である脱出ポッドの周囲から見えるのは一面の海と炎上する宇宙船のみ、この絶望感と心細さがまずプレイヤーを襲います。
食糧や飲み水さえ安定しない状況でこの環境に放り込まれるのは想像以上に心細いもので、ポッドから離れた場所へ泳いでいくのは恐怖を伴うはず。
また本作は自衛手段に乏しく、敵性生物に襲われると逃げるしかない場面も多いです。
日の光も届かないような深海でいきなり襲われることもあり、全く油断できませんでした。
筆者はホラーゲーとかが本当にダメなビビりですが、直前に遊んだゾンビゲーム・DAYSGONEよりよっぽど怖く、幾度となく止めようか迷ったほど。
この過酷な環境が見事に表現された結果、殺人鬼にもゾンビにも幽霊にも頼らずに完全にホラーゲームとして完成されています。
特徴を活かしたユニークなクラフトが楽しい
本作のクラフト要素では水圧、海水のろ過、電力をいかに確保するか、潜水艇や探査ロボ、潜水艦、養殖など海というフィールドならではの要素により他のゲームとは一味違ったシステムになっています。
一度建造しても手軽に解体して素材に戻すことが出来るので、手直しや増築もしやすく、不親切に感じることはほとんどありませんでした。いい意味でインディータイトルとは思えません。
良くも悪くも全体的に説明不足気味
ここは賛否両論あるポイントでしょう。説明が足りないのは間違いなく、人によっては合わずに序盤でやめてしまうのが容易に想像できます。
ただ、この手の手探り感を楽しむゲームは情報を与えすぎると順番にタスクをこなすだけの無味乾燥なものになってしまいます。
救難信号の発信地点など、必要最低限の情報はきちんと与えてくれていますし、個人的には丁度良い塩梅なのかなと。
自分の場合一部ツールは最後まで発見できずでしたが、そういう中途半端さが許容できないタイプだと辛いかも。
ロードの重さはマイナスポイント
プレイ環境によっては気にならないでしょうが、少なくとも筆者のプレイしたPS4版はロードによりかなりストレスを感じました。
まずゲームスタート時に多くのデータを読み込むため、プレイできるようになるまで相当な時間がかかります。
それ自体はある程度仕方がないのですが、セーブした場所が海中だった場合プレイ開始直後から酸素を消耗し始めるし、そうでなくとも飢えと渇きがあるので別のことして待つ、というわけにもいかないのが辛い。
ボタンを押したらスタート、みたいなワンクッションが欲しかった。
また、主にセーブ中に並行してプレイを進めようとした際、潜水艇やロボなど機動力の高い乗り物だと周囲のオブジェクトのロードが間に合わないことがしばしばあり、強力な敵性生物がロードされる前に駆け抜けたり出来てしまいます。
ちなみに筆者が実際に遭遇した事象として、遅れて岩がロードされたために所謂「いしのなかにいる」状態となり、岩にはまったロボを放棄せざるを得なくなったことがありました。
逆に言えばセーブ実行中は大人しくしていればこういった事象は発生しないわけですが、ほとんど気付かぬうちにオートセーブしてくれるゲームも多々ある中で、セーブだけでここまで激しくパフォーマンスが落ちること自体問題じゃないかなと。
まとめ
良い点
・一面の海による猛烈な心細さといつ襲われるかわからない恐怖感
・海洋惑星という舞台を活かしたユニークなクラフトシステム
・適度に説明が省かれており、手探り感が楽しめる
悪い点
・説明が足りないと感じる状況も
・とにかくロードに時間がかかりすぎる
総評
インディーゲームとは思えないハイクオリティの良作。
海の恐ろしさを散々味わう羽目にはなりますが、充実のクラフトや探索の達成感は唯一無二のものがあり、独自の面白さが詰まったゲームです。
ジュール・ヴェルヌ「海底二万マイル」の影響も感じられ、SFとしても楽しめる作品となっているので、そういった世界観を好む方には無条件でオススメ出来ます。
・・・ただ本当怖いので、ビビりを自認している方は非推奨です。私は当面海水浴には行かないと心に決めました。
オープンワールドということもあって、バグに遭遇することは珍しくないので、万一の時に備えこまめなセーブを心掛けることを推奨します。
評価・・・8 - GREAT(素晴らしい)/10
※本レビューの点数はIGNのガイドラインを基準としています。