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【レビュー】『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』ララ・クロフトの冒険再び

※個人の見解です。ネタバレ無し。購入検討の参考になれば幸いです。

 本作はトゥームレイダーシリーズの、リブート三部作として制作された二作目にあたる作品。

 元々は初代PSの時代に世界的に大ヒットし、アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化もされた名作ですが、日本ではあまり馴染みが無いかもしれないですね。むしろ映画だけ観た人が多いかも。

 本作はPS4、XboxOne、PCに対応。
 今から買う場合リブート三部作+各DLC全部入りの『トゥームレイダー ディフィニティブ サバイバー トリロジー』がDL版専用で発売されているのでこちらを買うのが手っ取り早いでしょう。

 先日三本まとめてepic games storeにて無料配布されたことが話題になりましたし、PCゲーマー以外にもPlaystation Plusでフリープレイ化していたので持っているがやってない、という方も多いのではないでしょうか。

冒険モノの王道を行くシナリオ

 トゥームレイダーシリーズは昔から「女インディー・ジョーンズ」と呼ばれ、実際わかって似せている節もありました。

 その例に漏れず本作もインディー・ジョーンズさながらに遺跡や遺物をめぐって神秘的体験や秘密結社トリニティとの戦いを描いており、まさに冒険モノの王道中の王道をひた走っていて、シンプルに面白い。

 この様式美的シナリオに新鮮さは無いですが、ララが知恵と勇気と超人的身体能力、そして驚異的な幸運を駆使して状況を打開していく様は約束された痛快さがあります。

当時最高レベルのグラフィック

 次世代機が登場している今となっては凄さを感じにくくなっているかもしれませんが、グラフィックは2015年時点では群を抜いたクオリティです。

 特筆すべきは遠景でしょうか、ただただ美しいというほかないです。
 構図、画作りまでしっかり考え抜かれているという印象を受けました。

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風景のみならず汚れや濡れ、雪の粒など細かい部分までクオリティが高く臨場感抜群

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  また景観だけではなく人物も妥協なく作られていて、特にララをどう魅力的に描くか、という点については製作スタッフの本気を感じられる出来。

箱庭型とリニア型のいいとこ取りに成功

 本作の構成はそこそこ広い複数の箱庭型マップと、一方通行のいわゆるリニア型マップが組み合わさっている形式になっています。

 箱庭型マップでは隠された遺跡探索や遺物などの収集物を集めたり、素材を集めることでララを強化したり装備を整えることが中心。

 それぞれの隠し遺跡は作りこまれており、トゥームレイダー旧作を彷彿とさせる頭を悩ます謎解きがたくさん詰め込まれていてやり応えがありますし、素材集めも基本余るぐらい手に入るので足りない分だけ集めればいいストレスフリーな仕様。

 オープンワールドゲーム的な探索収集要素を盛り込みながらも一つ一つの遊びが薄味になってたり、収集作業でプレイ時間を水増しするような、同ジャンルによくあるマイナスポイントを感じさせ無いのが特に素晴らしいです。

 一方リニア型マップでは、前述のグラフィックを最大限に活かした激しいアクションを存分に楽しむことが出来てさながら映画のような迫力があります。

 これは自由な行動が出来ない分、敵や演出の計算された配置やリソースの集中が出来るリニア型ならでは。ストーリーにも集中しやすいです。

 その分リニア型はボリュームが少なくなったり、自由度の無さからやらされてる感が生まれるという弱点を持つわけですが、箱庭型との組み合わせによってこれを克服しています。

 どちらの要素にも特化されてない分、人によっては器用貧乏・物足りないという印象を持つ人もいるかもしれません。
 ただ、どちらも高いレベルで両立されているのでいろんなジャンルを手広くプレイする方にこそハマりやすいのではないかと思います。

欠点を強いて挙げるなら・・・

 個人的には正直非の打ちどころが無かった本作ですが、強いて挙げるとすれば二点欠点がありました。

 一つはストーリーを進めないと手に入らないアイテムが必要なために、入り口から先に進めなかった場合でも洞窟のマーカーが探索済みになってしまう点。
 せっかく装備を手に入れてまた戻ってきてもどの洞窟だったか記憶を頼りに探さなければいけませんでした。

 もう一点は時折カメラワークが思い通りにいかずイライラを感じるシーンがあったことです。

 私としては些細な事だと感じましたが、気になる方はご注意を。

要点まとめ

良い点

  • 名作ハリウッド映画のような王道冒険モノシナリオが面白い

  • グラフィックの出来が非常に良い

  • オープンワールドと一本道のいいとこどりを成立させたゲームシステム

悪い点

  • ごく細かい部分で不親切に感じる箇所はなくはない

総評

 飛びぬけた完成度を誇る傑作。
 個人的には何年かに一度レベルの出会いで、なぜこれまでやってこなかったのかと後悔しています。

 映像表現の凄さは言わずもがな。

 影響を与えたとされるアンチャーテッドシリーズのような完全に映画的なゲームではなく、探索やクラフト、各種成長要素が幅のある遊びを実現し、よりゲームを遊んでいるという気にさせてくれることでしょう。

 やたら崩れる崖や獰猛な野生動物、襲い来る数々のトラップなど、冒険モノのお約束が詰まった内容は様式美の域に達しており、続きが観たくてついつい先に進めたくなる、そんなゲームです。

 文句無しの満点評価を付けたいと思います。

評価・・・10 - MASTERPIECE(最高傑作)/10

※本レビューの点数はIGNのガイドラインを基準としています。


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