全パーソナリティー障害の根源・アダルトチルドレン(AC)
定義
自己犠牲的で自分を大事にする力を養うことが出来ずに
大人になった人々。
原因
虐待する親、支配的な親、アルコール依存症の親、
ACの親、の下で幼少期から青年期を過ごしたことが
主要素と考えられている。
典型的なパターン
①優等生パターン
小さい頃から勉強ができたり、「しっかりしてるね」と
言われて、心地良い部分もあるが、常にその状態を維持
する生き方を選んだ人。
優等生でいれば、両親や他者から褒められるので
「自分が優等生であれば受け入れてもらえる」と認識
している人。
②問題児パターン
親や他者の注目を引くために
「不良になる」
「暴力を振るう」
「嘘をつく」
「万引きをする」といった形で、
「自分は問題児なんだよ」という生き方を
選択する人。
③お世話焼きパターン
誰かの世話を焼き、
「ooちゃん、大丈夫?」
「ooちゃんooいらない?]という感じで、他人の
ことにすごく気が付いてしまったり、「優しい人
だね」「いい人だね」と言われるようなポジション
をとり、「他人から承認を得る」という目的で行動
する人。
④ピエロパターン
「あなた、面白い人だね」と言われるポジションを
敢えて取ることで、親から承認を得て、「この子が
いたら和むね」と言われるスタイルを形成する人。
「機能してない家族」は「空気が悪い家族」とも
言えるので、面白いことをして「夫婦間トラブル」
を解消することに快感を覚えた人。
⑤空気パターン
「空気」のように自分の存在を隠して生きていく
タイプで、「あの人、今日の飲み会来てたっけ?」
と言われ、全然自己主張をせず空気のように生き、
他者から承認を得るというよりは「問題を起こさ
ない」というポイントを注視する人。
⑥スケープゴート(いけにえ)パターン
本来、家族や親の側にある問題を、その子1人が
原因であるかのようにすり替えられ、悪者の役割を
担わされながら育ってきた人。
自分自身に無価値感を感じつつ育って来たため、
依存症に陥ったり、自傷行為をしてしまう等、自暴
自棄な生き方を選んでしまう人。
兄弟姉妹の中で「この子はダメな子」「この子が
いるから、我が家はダメなんだ」といった立ち位置を
与えられ、不当な扱いを受けてきた人で親のストレスの
捌け口にされた人。
ACの人は、この6つのパタ-ンが混在している。
ACの人たちは「機能してない家族」の中で「どういう
風なポジションをとれば、自分がそこに存在しても
いいか」という部分に命をかける。
回復方法
①自分がACであることに気付く。
もし、自分がACだと気づくことができれば、かなりの
確率で回復できる術が見つかる。
②安心できる居場所を確保する
(A) 自助グループへの参加。
同じ問題を抱える人が集まる。
(B)カウンセリング。
自分の過去やトラウマを誰かに聞いてもらう
ことで、少しでも自分を解放することが可能。
③自分の感情を素直に言葉にする・全部吐き出す。
1番素直でいなければならない子供の頃から親の
機嫌を取ってきたので、
「自分の感情を素直に言葉にする」=
「相手にとっての良い子ではなくなる」
と思い込んでいる。
ひどい場合は、自分の感情がわからないことも
ある。
④ありのままの自分を認める。
どれだけ複雑な家庭環境の中で過ごそうが、また、
酷いトラウマを抱えていようが、あなたという存在
は、1人しかいない。
そのため、もし誰もあなたのことを受け入れてくれ
ないのであれば、あなた自身がありのままの自分を
認めればよいのである。
⑤ナラティブセラピー
過去と現在をつなげる。
自らの成育を物語として語り、治療者(セラピスト)
からの助言を得て、自分史の再構成を行う精神診療。
過去や自分自身を見つめ直すことで客観視ができる。
別の角度から自分を観ることで、自分本来の個性や
能力を取り戻していくことができる。
⑥認知行動療法
ACの人は物事の受け止め方や考え方に癖がついて
いる場合が多く、自分の中で受け止めた物事を改めて
検討していく中で、考えの癖を修正する。
⑦アサーティブなコミュニケーション
自分の意見を飲み込むことで我慢をしたり、一方的に
自分の主張を押したりせずに、相手を尊重しながら
自分の気持ち を伝える。
4つの柱
1⃣誠実ー相手への尊重を示す態度と言葉。
2⃣率直ー感情を相手が受け止めやすい言葉で
伝える。
3⃣対等ー前向き・肯定的な表現で伝える。否定
表現は避ける。
「今日は時間がないので出来ません。」=
「明日であれば時間が作れる。」
4⃣自己責任ー私を主語にしたメッセージで伝える。
(例)「あなたの発言は分かりにくいです。」→
「私に理解不足な部分があり、質問させ
ていただきたいのですが・・。」
⑧考え方の癖を自覚するABC理論。
A(activating event)・・出来事
B(Belief)・・・・・・・信念
C(Consequence)・・・・結果
人間は出来事が起き、それを考えた上で反応する
という流れで処理している。
考え方に該当するBをマイナスからプラスに変える。
(例) Aー「見知らぬ人が私の話をしていた。」
Bー「私の悪口を言っているに違いない。」←マイナス方向
Cー「私は惨めだ。」
(例) Aー「見知らぬ人が私の話をしていた。」
Bー「私のことを褒めているのかもしれない。」←プラス方向
Cー「私ってすごい。」「もっと話題になるように
頑張ろう。」
⑨認知再構成法
クライアントの認知のゆがみを理論的に証明し、
本人に自覚させた上で修正する。
(例)「自分が話すと誰もが嫌がる。」という
自動思考。
「では、最近、あなたが人前で話した時の
ことを教えてください。」
「本当に周囲は嫌がっていましたか?」
「しっかり耳を傾けていた人は1人も居ま
せんでしたか?」
と認知反証要素を取り上げる。
「あなたが話していない時でも、周囲が嫌な気持ちに
なっていることはないのか?」と新しい思考の切り口を
与える。
ACの方へのお勧めの言葉
①あなたはあなたの人生を生きている。
②家族を嫌いでもいい。
③あなたは愛される価値がある。
④怒ったり泣いたりしても大丈夫。
⑤もっと自分を許してあげよう。
⑥あなたは十分頑張ってきた。
⑦自分のあり方は変えられる。
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