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【オメガバース小説】犬のさんぽのお兄さん【第6話】

【地方都市×オメガバース】オメガでニートの園瀬そのせあずさは、T中央公園を散歩中に謎の長髪イケメンアルファ(ダサい臙脂えんじのジャージ姿)に出会う。その瞬間、ヒートが起きて運命の番だと分かり——!?

※このお話は18歳以上向けです。


 京一郎は「お前が良いなら、そうするぞ」と答えて、再び俺に覆い被さった。
 自身の長大なモノを手に取ると、先走りの溢れる先端をぴと……と俺の入り口に押し当てた。
 勝手に期待して、下の唇がひくひく戦慄わななくのが分かった。
 それからグッと圧迫される感覚があり、京一郎が挿入はいってきた。
 ゾクッとして、下半身からじわじわと性感が這い上がってきた。その間にも京一郎のモノは侵入を続けていて、程無くコツ、と腰骨が当たり、根元まで挿入はいったのだと分かった。
「気持ち良い……。女の胎内なかは、こんなにいものなのか」
 ふう、と息を吐きながらそう言われて、俺は「ンンッ」と呻いたけれど「女じゃねえって!」と叫んで否定した。
「すまない。オメガだったな」
 京一郎は素直に謝ると、ゆっくり抜き差ししはじめた。ちゅぷ、ちゅぷ、と濡れた音が響き、脳が溶けそうなほどの快感を覚えて、俺は「へぁ……」と間抜けな声を漏らした。
「やはり運命の番……。俺はもう、お前以外を抱けない」
 はあ、と大きく息を吐いた京一郎がそう言って、思わず胸がきゅんとしたから、俺は胎内なかのモノをギュッと締め付けてしまった。
 すると、うっと呻いた京一郎のモノから熱い液体が飛び出し、胎内なかに広がっていく。
「あずさ……これで俺のものだ」
「京一郎……」
 頬を撫でてうっとりと囁いた彼に俺は「好き」と応えようとして、いやいや、まだ出会ったばかりだし、と我に返って口をつぐんだ。

「で、何故うなじを噛ませてくれないんだ」
 俺と京一郎はすっかり元の通りに服を着て、ベッドの上に胡座あぐらをかいて座り見つめ合っていた。
 京一郎は不満を隠そうともせずにそう聞いたから、無意識にうなじカバーに手を遣りながら答える。
「いや、よく考えたら、俺まだ母親になる覚悟なんて出来てないし。犬飼う許可も出てないのに」
「しかし、項を噛まなければ、別のアルファに取られてしまう。だから俺は今すぐ噛みたい」
 京一郎は率直に理由を言って身を乗り出したから、俺は「ええ……」と言いながらった。
「じゃ、じゃあ、噛んでも良いよ、項は。でも、あれってえっち中じゃないと意味無いんじゃ」
「そうだ。だから次のヒートを待つぞ。明日にも来るかもしれない」
「俺、まだヒート期間じゃないのに……」
 通常、オメガのヒートは一番妊娠しやすい排卵期に起こる。つまり大体生理の二週間前だが、俺はついこの前生理が終わったばかりである。
「しかし、ちゃんと結ばれたのだから、もう突発的なヒートは来ないかもしれない」
「本当に来ないのかな……」
 俺はそう呟くとスマホを取り出して、「運命の番 セックス後 ヒート」と入力してインターネット検索した。
「『項を噛んでつがい契約するまでは、短い周期でヒートが起こり続けます』……」
 見つけたサイトの記述を読み上げて、俺はがっくり肩を落とした。すると京一郎が「やはり早くつがわないと」と言って、大きなため息を吐いたので顔を上げた。
「散歩に出掛けただけなのに、何でこんなことに……」
 思わずそうぼやいたら、京一郎は「俺だってそうだ」と言い、それからハッとした顔になって立ち上がった。
「そろそろぽん吉さんのディナーの時間だ。早く用意しないと」
 そう呟いて、慌ただしくベッドを出て行くのをぽかんと眺めていたら、京一郎は一度部屋を出て行ったのにまた戻って来て、「おい、家族に今夜は外泊すると電話しろ」と命令したから「ええっ」と叫んだ……。

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深川シオ
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