転院理由は薬の処方の悪さ

最初に運ばれた病院に通い、しばらくして担当医が休みの日があった。

急遽、脳神経外科の医師である院長が担当することになった。そこで、確か私の既視感がすごかったか、発作が多かったかで、今まで処方されなかった薬が出された。リボトリール。これ、抗精神薬。統合失調症の方に出す薬で、確かにてんかん薬としても使われるんだけど、かなーり慎重に出す必要があって。何しろ精神薬なので、頭を開く人(外科医)が簡単に出すものではないわけです。なのに、「これ飲むと調子良くなるから」という具合に軽く出された。通常量をだ。

危険なのは、調べるとわかるのだけれど、減薬できない人が多い。まぁ、統合失調症の方が飲んでいるし、多量に摂取している人が多いから、減薬といっても程度もまちまちだけど。何しろやめることができない。

次の診療になって、担当医は顔色は変えなかったけど、まずいなという感じだった。こちらもまずかった。気持ちの落ち込みがやって来た。やる気がなくなった。頭も回らなくなって、このときから編集者としての楽しさは終わった気がする。

そのことに気づいたときに、担当医に薬をやめたいと相談した。まさか断薬することができない薬だなんて知らないから軽々しく聞いたわけです。

すると担当医も、「じゃあ、それやめて他の薬に変えよう」と、あっさりやめることを指示された。

それから3日間は、頭の中が虹色。スカッと晴れ渡って、壁の向こうも透けて見えるくらい晴れやかで、何もかもキラキラと美しく見える世界が広がった。

が、3日後の朝、頭が割れるように痛くなって、寝床から起き上がれなくなった。もがいて立ち上がれない。すぐに病院に電話。リボトリールを飲んでいいか確認する。医師も早く飲むようにとのこと。しばらくしたら体調がもとに戻った。

気持ちが治まったら、またどんよりとした世界が舞い戻ってきて、その病院が信じられなくなった。医者が。専門医じゃないと殺されるなと。

それで転院を決めた。

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