夢鏡

 ゆめがね

 目が覚めた後はそんなに覚えてないけど、日中を過ごすうちに、そういえば起きた時の違和感は夢のせいか、と思うことが多い。今日見た夢は眼鏡が壊れる夢だった。目が覚めてすぐに体の向きを変え眼鏡を確認したのはそのせいか。

 夢はとてもいい加減で、改めて思い出すとそもそも最初から変な位置にあった鼻あてがあらぬ方向に曲がっており、夢の中の私は、多分、またかと辟易してたはずだ。というのは、現実でも鼻あての位置が気になりいじってるうちに壊してしまったことが2回ほどあったからだ。本当に曲がっているのは鼻あてだけだろうか。

 あっという間に今年も締め方を意識せねばいけない時期になり、年齢と感覚的な一年の長さとの関係の話はつくづく本当に正しいなと思わされるけど、大して長くもないだろう一生のうち、何か好意的な意味で示唆的な夢を見てみたいものだと思う。私が今まで見た印象的な夢といえば、この世に私を送ってくれた人に刃を向けたり、刺したり、暴言を吐いたり、あるいは筋肉隆々のスーモに追いかけられたり。高熱の時に見るような、概念がそのまま実体化し私にのしかかってくるようなものも含めると大体悪夢だ。夢占いをさほど信じていない、というかあのバリエーションの少なさに対する疑いが拭えないのだけど、吉兆じみたものをもう少し見せてもらってもバチは当たらんだろうと思う。結局のところ、目覚めてからの自分の行動次第だろうけど、そもそも目覚めが悪いんだ。あと現実で見かける示唆的なことはとても心臓に悪い。あまりに直接だから。

 眼鏡が夢に出てきたのは自分の中では明確に理由があって、夢占いの本の「眼鏡」のページを繰っても的外れなものばかりだと思う。その理由は①この眼鏡のまま、②眼鏡の新調、③コンタクトと選択肢があった時、どうしようかと最近考えていたから。本当は自分の醜い手を何とかしたいのだけど、手っ取り早く何かを変えるなら目かなと思いまして。見たくないものを見ずに済むという意味では裸眼でも良いのだけど、あまりに目が悪いのでそれでは生活に支障をきたしてしまうから。人間は比喩だけでは生きられない。

 首相がメガネであることを揶揄されていたが、やはり良い気持ちはしなかった。というか、属性という意味ではあいつと一緒なのかと思い不快にもなった。とはいえコンタクトは怖い。でも以前より絶対的な抵抗感は示さないので、親しい人たちは私に「眼鏡とった方がいいよ」という少々時代遅れなセリフを吐いてみると、私の考え方は変わるかもしれない。それか似合う眼鏡を選んでほしい。今回は本気の度合いが少し高い。本気かどうかというか、自分はその気だぞということを自覚、認識しているかどうかの問題。

 そういえば夢の中にいる私は眼鏡をしているのだろうか。なにせ口ほどにものを言う目だと自覚しているので、裸眼だと夢の中にいることに気づいてしまうかもしれないから多分眼鏡をしているはずだ。これから不都合な事実を聞かされることが多いだろうが、その時も私の目は黙っていられるだろうか。

 最後に。やっと冬になってくれたと思ったら、やはり初めての冬みたいな感じになってしまい、身体がまだ慣れてくれない。夏と冬との気温差が激しすぎて、互いがいつも人生初の辛さに思えてしまうのはこの風土に住むものの宿痾だと思う。特に乾燥が辛い。また睡眠の話に戻るが、寝る前の一杯の水はとても大事。うっかり忘れると脱水気味で深夜に目が覚める。互いに気をつけて、良い年の瀬を過ごせるよう。それでは次は年間ベストかな、もしかしたらもう少し書くことが生まれるかもしれない。書き方がわからないだけで書くことはたくさんあるはず。あと会う人は楽しみにしてます。あとM-1と紅白が楽しみ。